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2018年08月23日号

1;福岡、生コン市況急伸

福岡地区の生コン市況が急伸した。建設物価9月号で福岡市の表示価格が一気に4000円上がり、1万3000円(18・18・20)となった。福岡地区生コンクリート協同組合(福岡市)が4月から進めてきた値上げが浸透した。
福岡の生コン市況は近年、員外社との競合などで9000円台に低迷していた。こうした中、同協組では員外社への加入交渉に力を注いできた。それが昨年10月に結実し、員外6社(6工場)が協組加入に合意。4月に正式に加入し、6月から共販にも参加したことで、協組の市場占有率は9割を超え、市況形成力を取り戻した。
値上げの環境が整ったことを受けて、同協組では1月、4月の2回に分けて販売価格の段階的引き上げに着手。同協組は4月1日以降契約分から販売価格を1万3000円以上としていたが、それが満額反映された。
協組によると、現在契約ベースで2割以上がすでに新価格に移行し、全体の1割を占めるスポット物件は1万4000円以上で販売しているという。ユーザーからの値引き要請についても「現在は全くない。完全に1万3000円が浸透した」(協組)とし、値上げの手ごたえを感じている。協組は年末には新価格契約が5割以上に達するとみている。
出荷は2割増
一方、同協組の4~7月の生コン出荷量は前年同期比13・7%増の42万4千m3だった。今年度は員外社の加入効果もあり20・7%増の140万m3と想定している。来年度以降は地下鉄七隈線延伸工事(天神南~博多)、天神地区の再開発など大型工事が計画されており、「当面の生コン需要は年間150万m3程度で推移する」(同)と予想している。