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2016年08月04日号

1;生コン出荷低迷続く

生コン出荷の低迷が長期化している。全国生コン両連合会が7月29日発表した2016年度4~6月の生コン出荷量(非組合員は推定)は、前年同期比9・2%減の1956万2千m3だった。年初には首都圏で今秋から東京オリンピック・パラリンピック需要が出てくるとの見立てだったが、来年にずれ込む公算が高い。こうした中、28兆円規模の補正予算で、インフラ整備費は約4兆5千億円(財政措置除く)確保されたものの、生コン出荷につながるのは時間がかかるとみられる。厳しい需要環境はしばらく続きそうだ。

4~6月の出荷は総出荷、官公需、民需いずれも3年連続のマイナスだった。工組別でプラスだったのは、北海道、山形、長野、石川、福井、奈良、広島、鳥取、長崎の9工組。最も伸びたのは福井で19・1%増の19万6千m3。北陸新幹線工事や原子力災害制圧道路などが出ている。奈良は医療センター工事などで10・9%増の11万5千m3だった。減少した37工組のうち20工組が2ケタマイナス。特に和歌山は豪雨災害の復旧や国体関連工事、高速道路工事が終了した影響で43・3%減の16万9千m3だった。

全生連は今年度の出荷を4・2%減の8349万1千m3と想定している。五輪特需が遅れる見通しが強まり、補正予算の効果が出るまで時間がかかることから、今年度は8000万m3割れの懸念も出てきている。