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2016年02月12日号

1;住友大阪は増収増益~セメント専業決算

セメント専業大手2社は9日、2015年4~12月期の連結決算を発表した。両社ともに増収を確保したが、損益は太平洋セメントが減益、住友大阪セメントが増益と分かれた。太平洋は国内需要の低迷による販売数量の減少に加え、中国経済の減速で海外事業も減益となった。16年3月期の通期見通しは、住友大阪は従来予想を据え置き、太平洋は下方修正した。

太平洋の4~12月期の売上高は前年同期比0・7%増の6265億6千万円だった。増収はセメント部門だけで、主に為替効果で181億2千万円増えた。セメント販売量は国内が7・7%減の1128万トン、輸出が29%増の281万トンだった。

営業利益は432億6千万円と10%減った。セメント部門は、国内は数量減が響き43億円減の202億円にとどまり、海外も7億円減の54億円だった。一方、資源は燃料安、建材・建築土木はALC市況の改善でともに増益を確保した。

経常利益は韓国・双龍セメントなど持分法投資利益の減少も加わり15・9%減の424億7千万円。純利益は21・7%減の265億7千万円だった。

通期の業績予想を修正し、売上高は従来予想に比べ210億円減の8450億円、営業利益は60億円減の600億円、純利益は40億円減の330億円などとした。営業利益修正分のうち55億円をセメント部門で占める。

住友大阪の4~12月期の売上高は2%増の1756億1千万円だった。子会社の増収によりセメント事業の売上高が小幅増えた。建材事業は地盤改良工事が引き続き好調だったほか、新材料、光電子、その他各事業も2ケタの増収だった。

営業利益は12・6%増の172億8千万円で同期の最高益を更新した。増益分の約7割、13億円をセメント事業で稼いだ。セメントの国内販売は674万8千トンと4・4%減った。数量減と為替などの悪化要因が30億円に上ったが、燃料価格の低下(33億円)、リサイクル・合理化(7億円)などでカバーした。非セメントは光電子を除き増益を確保した。

経常利益は6・6%増の187億7千万円、純利益は39・9%増の125億4千万円だった。