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2014年11月20日号

1;初の民間商業ベース施工~1DAY PAVE

福島県いわき市の砕石事業所の構内で13日、施工の翌日には交通開放できるコンクリート舗装、1DAY PAVEの施工が行われた。民間からの商業ベースの発注による1DAY PAVEの施工は、全国でも初めてとみられる。

磐城砕石(東京石灰工業グループ)の事業所敷地内の「足洗い場」に施工された。砕石を輸送するダンプトラックがここで車輪の粉塵を洗い落とす。同事業所にはすでに足洗い場があるが、東日本大震災後に砕石の出荷が増えたのに伴って、ダンプトラックの運行台数が震災前の2倍以上に増えた。そこで粉塵発生防止対策を一層強めるため、新たに第2の足洗い場を設けた。2度洗うことで、タイヤの粉塵がきれいに除去される。

その第2の洗い場をつくる作業を進めるのに先立って、同事業所と取り引きのある磯上商事大利コンクリートから1DAY PAVEの提案を受けて検討。施工後早期に使用できるという利点を認めて採用した。コンクリートの施工管理にはNIPPOが当たり、磯上商事大利コンクリートが生コンを納入した。

施工面積は480m2、舗装厚は20cmで、舗装中には鉄網を敷設した。生コン打設量は約100m3。生コンのスランプは15cmで、打ち込みにはコンクリートポンプ車を使用。敷き均しはフィニッシャーを使わず、人力で行った。朝8時からコンクリートの打ち込みを始め、午前中にほとんど終了した。

コンクリートの配合は、他の地区での先行施工事例における配合を参考に、試験練りをし修正を加えて決めた。早強セメント使用で、曲げ強度は4・5N/mm2、スランプは15cm、最大骨材寸法は20mm。高性能AE減水剤を使って単位水量を160kg/m3まで落とし、水セメント比を35%とした。舗装の交通開放には3・5N/mm2以上の曲げ強度が必要とされるが、今回の1DAY PAVEコンクリートは、試験練りでは24時間で4・8N/mm2の曲げ強度が出ている。

磯上商事の酒井哲朗生産管理部技術部長は今回の施工の経験をもとに、大がかりな機械を使わずにもできるという1DAY PAVEの特徴もあげて、例えば災害で損壊した工場土間や側溝などの早期復旧や、簡易生コン舗装など、色々なところにも使えるのではないかとの見方も示している。