2007年09月27日号
1:生コン・セメント 出荷~転嫁値上げの浸透が焦点
生コン、セメントの需要は低位ながら横ばい飛行を続けている。堅調な民需が公共投資の削減による官公需の減少をほぼカバーしており、需要が水面下に沈み込むという最悪の状況から脱した興産が大きい。ただ、需要堅調な大都市、低調な地方の二極化の構造はかわらず、地場産業である生コンにとって都市と地方の景況感には天と地の開きがある。一方、石炭、石油といったエネルギー価格の高騰を背景に原料などの調達コストが上昇しており、生コン、セメントの収益を圧迫している。需要が持ち直す中で、下期以降の最大の焦点は転嫁値上げの浸透だ。旧来の商慣習が値上げを通りにくくしているとして、生コン、セメント両業界では契約形態や商慣習の見直しの姿勢を強めている。