文字サイズ(変更方法 文字サイズを大きく 文字サイズを小さく
2013年01月17日号

1;茨城で大規模RCCP~コンクリート舗装

 今年度の国土交通省の道路関係予算にコンクリート舗装の積極的活用が盛り込まれ、脚光を浴びるコンクリート舗装。民間企業もコンクリート舗装を評価し、採用している。茨城県の日立建機常陸那珂臨港工場の増設工事で、転圧コンクリート舗装(RCCP)が1万4千m2(約2700m3)施工された=写真。RCCPは、単位水量を大幅に減らした超硬練りコンクリートを用いて養生期間を短縮することにより、施工から約3日で交通解放できる。また、初期建設費用は通常のコンクリート舗装に比べ約2割削減できる。
 RCCPは1980年代に日本に導入され、90年代には民間工場の構内舗装や、港湾施設などを中心に施工実績を重ねた。セメント協会によると、2011年4月までに296万m2の施工実績がある。RCCPは、新東名高速道工事で採用された連続鉄筋コンクリート舗装(CRCP)、ポーラスコンクリート舗装など複数あるコンクリート舗装メニューの中で大きなシェアを占めているわけではないが、道路会社が持つアスファルト用の機械を使用できる点が評価されている。RCCPの技術資料として、セメント協会は転圧コンクリート舗装の耐久性目視調査報告書、日本道路協会は転圧コンクリート舗装技術指針を発刊している。
 同工場は08年の新設時に重機などを仮置きするヤードや通路にRCCPを約4万m2(約8千m3、版圧20cm)施工した。今回の増設工事でもRCCPの長期耐久性を評価して、重機ヤードなどに採用した。前回と同様に茨城県北部生コン協組(水戸市)の組合員、茨城太平洋生コンひたちなか工場、日立生コン日立工場がRCCP用コンクリートを出荷した。
 昨年12月から工事が始まり、1月11日には1260m2(252m3)を施工した。生コンの品質は設計基準曲げ強度(28日)が5・8N/mm2のため1週強度で5・22N、締固め率は96%以上を目標値とした。生コンはダンプで1台当たり4m3輸送し、運搬中はコンクリート中の水分蒸発を防ぐためシートで覆った。
普及活動に活かす
 今回のRCCPの施工を今後の普及活動に活かすため、茨城生コン工組は11日に茨城県の道路発注担当者を対象にコンクリート舗装見学会を開催。茨城県の道路発注担当者らはRCCP用生コンを手に取って品質を確認したほか、施工期間や養生方法などを施工者に質問した。同工組の宮田勲理事長は「生コン業界もコンクリート舗装の受注拡大に動いている。国土交通省がコンクリート舗装を積極的に活用するとしているが、県の直轄工事でも採用をお願いしたい」と語った。