2024年12月19日号
2;価格転嫁の実力試す~セメント
セメントの国内需要が低迷している。10月まで26か月連続で前年を下回っており、今年度は前年度に比べて約160万㌧減の3300万㌧前後で着地する見通しとなった。石炭価格の高騰を歴史的な値上げで乗り越えたのも束の間、需要減から波及する諸費用の増加が収益の足かせになってきた。セメント各社は、社会資本整備の基礎素材の安定供給と廃棄物利用による循環型社会への貢献という「動脈」「静脈」の2つの役割をこれからも担い続けるに収益力をさらに伸ばす必要があるとして、来春から一斉に値上げに踏み切る。