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2019年01月17日号

1;CP船から生コン出荷~北陸

北陸新幹線延伸工事(金沢~敦賀)向けに生コンを供給するコンクリートプラント(CP)船が昨年末、敦賀港に接岸し、稼働を始めた。2022年度の延伸区間の開業に向けて生コン出荷がピークを迎える中、福井県では安定供給を維持するため、CP船だけでなく現場プラントが2基設置される予定だ。CP船は敦賀港から南越地区の新幹線工区に生コンを出荷する。
福井、石川両県では昨年夏、地元紙で新幹線建設工事の遅れや、生コンの供給不足などが報道された。これを受け、石川では生コン用骨材の供給不安を解消するため、県が砂利の開発規制を緩和する措置を打ち出した。
福井では福井、南越の両地区で昨夏、県と鉄道建設・運輸施設整備支援機構(JRTT)、生コン協組を交えた協議が行われ、現場プラントの建設が決まった。現プラは南越地区では鯖江市に、福井地区ではあわら市にそれぞれ建設される。福井、南越両地区に現プラが完成するまでCP船を敦賀、福井両港に配置し、同船から生コンを納入する。
CP船は須工ときわ(高知市)の所有船で12月25日に敦賀港に着岸した。同港から南越地区の新幹線工区に出荷する。ただ敦賀港から新幹線工区までは距離があり、高速道路を使っても輸送時間は1時間程度かかるという。また、CP船は通常とは異なる使い方になるため、出荷量は計画を大きく下回る見通し。南越地区では今春までに現プラが完成する予定。
福井地区の現プラは当初南越地区と同じ今春の完成を予定していたが、夏ごろにずれ込むとみられている。現在敦賀港に接岸しているCP船は南越地区の現プラが完成次第、福井港に移動して出荷を始める。福井地区では一部の工区がプレキャスト化されるものの、それでも生コンは数十万m3不足すると見込まれている。
福井生コン工組によると2018年4~12月出荷量は福井が前年同期比58・1%増の46万8千m3、南越が2・2倍の25万7千m3となっている。