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2018年08月30日号

1;15都市で価格上昇~生コン

運搬費や原材料の値上げを受けて、生コン価格は全国的に上昇基調が続いている。建設物価2018年9月号によると、都道府県庁所在都市のうち、15都市で前年同月に比べ価格が上昇した。また、都道府県庁所在都市の平均価格(18・18・20)は268円上昇して1万3353円となった。
最も価格が上昇したのが福岡。1万3000円と4000円上昇した。員外社との競合などで市況は9000円に低迷していたが、今年4月に員外6社が協組へ加入。これにより、協組の市場占有率は9割を超えた。値上げの環境が整ったことを受けて、協組は4月から販売価格を1万3000円とし、それが満額反映された。これにより、表示価格が1万円を割り込んでいるのは甲府、新潟、高知の3都市となった。
首都圏では、東京、横浜、千葉でそれぞれ200円上昇し、1万3200円、1万1400円、1万500円となった。各協組の市況対策が奏功した。一方で首都圏では、昨年秋からミキサ車の輸送費や骨材価格が上昇しており、生コン協組は昨年12月から今年10月にかけて500~2000円の値上げを打ち出した。
ただ、その後、セメントメーカーがトン当たり1000円の値上げを表明。それを考慮した再値上げの検討が必要との声もある。コストの上昇基調はなお続くとの公算が高いことから、協組では価格政策を強化していく。
大津が最高値に
近畿地区の価格上昇も目立つ。滋賀・大津は3600円上昇し1万8700円と、都道府県庁所在都市で最も高い価格になった。また、神戸が2300円上昇し1万5800円、奈良は1400円上昇し1万7200円と、いずれも生コン協組の値上げが反映された。大阪や神戸をエリアとする大阪広域生コン協組は来年4月1日以降の新規契約分から販売価格を現行から3000円引き上げて1万8800円とする方針を固めており、これが実現すれば、全国で最も高い市場になる見通しだ。
このほか大分で1100円(1万3400円)、徳島で1000円(1万4800円)、福島で900円(1万4600円)、宮崎で500円(1万7700円)、宇都宮と佐賀で300円(1万円、1万1100円)水戸と那覇で200円(1万1500円、1万3350円)それぞれ上昇した。いずれも協組の値上げが反映された。