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2018年03月01日号

1;普通コンにフロー4種~生コンJIS

生コンJIS(A5308)の改正作業が大詰めを迎えている。普通強度領域へのスランプフロー導入やコンクリートの高強度化への対応、スラッジ水の品質を安定化させるスラッジ安定剤(遅延剤)の規格化などが検討されている。改正原案は3月中に提出する予定で、2019年3月の改正、公示を目指す。
普通強度領域のスランプフローについては、45±7・5cm、50±7・5cm、55±7・5cm、60±10cmの4種類を導入する方向で検討を進めている。懸念される材料分離を確保するため、呼び強度ごとにフローの範囲を設定する。呼び強度45を上限に、フロー45cmは同27、フロー50cmは同33、フロー55cmは同36から、フロー60cmは同45から選択できるようにする。また、増粘剤一液タイプの高性能AE減水剤については、使用を前提としないことが示される予定だ。
高強度上限据え置き
コンクリートの高強度化への対応では、呼び強度の上限および間隔の見直しを検討している。呼び強度の上限については、全国生コンクリート工業組合連合会の調査で、高強度コンクリートの使用比率の高い首都圏でも出荷の9割超を呼び強度60以下が占めたことを踏まえて、現行の60で据え置く方向で審議されている。呼び強度の間隔については、5N刻みであることが大臣認定と比べて使いにくく、普及していない理由となっていることから、呼び強度46~60の範囲の整数を呼び強度とすることができるように検討を進めている。
そのほか、i―Construction(アイコンストラクション)などにおいて生産性向上を目指したスランプの種類の見直しを検討した成果を受けて、高強度コンクリートは10cmを12cmに変更し、21cmを加える。
安定剤の附属書制定
スラッジ水については、高度利用に向けて固形分率6%程度までの使用を検討してきたが、品質を担保するデータなどが不足していることから今回の改正では見送り、次々回以降の改正を目指すことを解説に記述する方向で審議している。
その一方で、現行の固形分率3%以下の範囲で、安定剤を使用できるように附属書の見直し、制定を進めている。附属書D(付着モルタルの使用方法)を見直し、「付着モルタル及び安定化スラッジ水に用いる安定剤(仮称)」として、安定剤の品質規格とするほか、附属書F(トラックアジテータのドラム内に付着したモルタルの使用方法)、附属書G(安定化スラッジ水の使用方法)を制定する方向で審議している。