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2017年01月26日号

1;岐阜中央生コン協組が広域化

岐阜中央生コンクリート協同組合(岐阜市、雁部繁夫理事長)が事業エリアの広域化を進めている。昨年11月にライン生コン川辺工場(加茂郡川辺町)が加入したことを受け、東濃エリア可茂支部を設置した。協組は可児市、美濃加茂市、加茂郡にある3社(3工場)に加入を呼びかけており、早期の共販開始を目指している。可茂支部の需要規模は年間14万~15万m3。エリア内の4社4工場で協組を新設することもできたが、将来的に出荷が減ると組合の維持が困難になる恐れがあるとして、ライン生コンは岐阜中央協組に広域化を求めた。運営経費を抑制する手段として協組広域化が選択肢となりそうだ。

美濃加茂市や可児市、多治見、土岐、瑞浪市などを供給エリアにしていた旧東濃協組は2009年に解散したことから、多治見や瑞浪などの東部を恵那協組(中津川市)、美濃加茂市などの西部を中濃協組(美濃市)がそれぞれ事業エリアに編入、広域化していた。ライン生コンは中濃協組に加入していたが、中濃協組は可茂地区で共販を行っておらず、旧東濃協組エリア内に員外社が多かったこともあり、県設計単価1万5500円(18・18・20)の満額確保が難しくなっていた。

現在の1工場あたり年間平均出荷量は約3万5千m3だが、事務所の設置など初期費用や維持費も考慮し、新協組の立ち上げを見送り、岐阜中央協組の広域化によって、可茂地域の市況安定を目指す。同協組は10年に大垣市など旧西濃協組エリアも供給エリアに加えており、今回の広域化で、供給エリアは東西で約90kmとなる。

雁部理事長は「可茂支部から岐阜市内に生コンを持ってくることは現実的に難しい。既存の当協組の工場と共納が行えないため、条件面などは基本的に支部内で決定してもらいたい。一方でコンクリート舗装の普及活動や両調査会や県などへの陳情のほか、当協組の出荷管理システム、生コン賠償責任保険などは、相乗りしてもらって構わない」としている。

一方、旧西濃協組エリアでは昨年9月、県の設計単価が岐阜市内と同じ1万1000円(同)に引き上げられた。すでに5社5工場が協組に加入しており、西濃地区における協組員の出荷比率が9割あることから、早期の共販開始に向けて条件を協議している。また、昨年11月に中濃協組の元組合員が岐阜中央協組に加入し、中濃支部として活動している。これにより岐阜中央協組は4支部(岐阜、西濃、中濃、可茂)17社15工場体制となった。

協組の経費節減を目的とした広域化事例としては、徳島協組(徳島市)がある。15年に徳島南部協組(阿南市)エリアを広域化し、南部協組エリアの出荷減に対応するとともに、旧徳島協組エリアの市況安定に寄与した。また15年に三重の中勢協組(津市)と組合員が重複していた南勢協組(松阪市)の組合員が中勢協組に合流。道路の整備が進み、県の出先機関が統合されたことが背景にあった。