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2017年01月19日号

1;存在感示す社会貢献活動~生コン

生コン業界の社会貢献活動(CSR)が改めて注目を集めている。昨年11月のJR博多駅前の道路陥没事故や、12月の新潟県糸魚川市の大火で、ゼネコンや消防からの依頼を受けた生コン業界が復旧・消火活動に協力した。これらの様子がテレビのニュースに映し出され、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などでも話題になった。CSRがイメージアップにつながり、業界の認知向上に重要な役割を果たす。

JR博多駅前陥没事故では事故後にゼネコンの要請を受け、流動化処理土を福岡地区の生コン2社が製造して、コンクリートミキサ車で運んだ。陥没現場手前にコンクリートポンプ車が設置され、安全な位置からブーム車によるポンプ打設を行った。大規模崩落だったが、事故から1週間後には道路の通行が再開された。

一方、糸魚川の大火では消防が糸魚川地区生コンクリート協同組合にミキサ車による消火用水の給水活動を依頼した。過去に山林火災の消火時にミキサ車が消火用水を運んだことを消防隊員が思い出し、提案したという。また、同協組関係者の自宅が全焼したが、消火用水が足りないことが、沈火活動の障害となったことを受け、自社のミキサ車に消火用水を積んで運ぶことを提案した。3工場から消火用水を輸送。鎮火した翌朝まで工場から現場まで水を運び続けた。新潟県生コンクリート工業組合の村上典雄理事長はこの事例を通じて、防災協定の必要性を示唆している。

生コン業界が地域防災に貢献するのは今回が初めてではない。島根県生コンクリート工業組合など複数の工組、協組で災害時支援協定を結び、消防水の運搬を行っている。また、CSRには児童らを見守る「子ども110番」などの防犯活動や「献血活動」、「生コン工場の見学」、「周辺地域の清掃活動」などがある。CSRは生コン業界のイメージアップに重要な役割を担っている。