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2016年12月01日号

1;官需も最低更新予想~今年度の生コン出荷

全国生コン両連合会が11月28日発表した今年度の出荷想定によると、官公需は前年比12%減の3273万6千m3で、2011年度(3827万6千m3)の過去最低出荷を更新する見通し。両連合会は11月18日に開いた全国理事長会議で、再想定した今年度の出荷見通しを10年度に記録した8527万8千m3を下回る8168万9千m3(前年比6・2%減)と報告していた。民需は1・8%減の4895万3千m3と小幅減で、過去3番目に低い水準となる見込み。

北海道を除いて9地区で前年を下回る見込み。工組別ではプラス予想の北海道、山形、神奈川、福井、奈良、京都、鳥取、長崎、沖縄のうち山形、福井、奈良の3工組は10%以上のプラスを見込んでいる。山形は東北中央自動車道工事や山形市内で大型民需、福井は北陸新幹線の延伸工事が出荷を押し上げる。

一方、10%以上のマイナスは青森、秋田、岩手、宮城、福島、新潟、岐阜、愛知、三重、滋賀、和歌山、岡山、山口、愛媛の14工組。最も減少幅が大きい福島は22・2%減の182万5千m3と予想している。和歌山は大型物件が終息した反動で20%以上の減少予想。

10月は民需も減

両連合会が同日発表した10月の生コン出荷量(非組合員は推定)は前年同月比8・5%減の761万5千m3と、25か月連続で減少した。官公需は10・4%減の317万7千m3で25か月連続のマイナス、民需も7・1%減の443万8千m3で3か月ぶりに減少した。稼働日数は1日少ない。

地区別では北海道のみプラス。工組別で前年実績を上回ったのは7工組で、このうち10%以上のプラスは3工組。奈良は運動施設向けなどが寄与し23・6%増の5万3千m3、京都は図書館や学校改築などで22・1%増の10万m3だった。北海道は観光施設や都市部のマンションなど民需が活発で、10・3%増の42万m3だった。

一方、10%以上のマイナスは16工組。最も落ち込んだ福島は23・7%減の18万6千m3。いわき、相馬両地区の復興工事はピークを越えつつあるが、双葉地区ではこれから復興工事、原発の中間処理場、廃炉に向けた工事が行われる予定。

今後の2~3月先の需要見通しは「やや増加」が前月から1件減の3工組(山形、愛知、長崎)、「前年並み」は1件増の10工組、「やや減少」は3件減の23工組、「減少」は3件増の10工組だった。