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2016年10月13日号

1;出荷低迷 出口見えず~関東一区の生コン

生コンの最大消費地、関東一区の需要低迷が長期化している。主要10生コン協同組合の今年度上期(4~9月)の生コン出荷は湘南を除く9協組で前年実績を下回った。中でも巨大物件が集積する東京地区への逆風は強く、出荷量は4分の3に縮小。下期も急な回復は見込めず、今年度の仕上がりは従来予想330万m3を大きく下回る280万m3前後にとどまり、過去最低を更新する見通しだ。

10協組中5協組が2ケタマイナスに沈んだ。減少の要因は一様ではなく、主力のマンション工事の減少や着工遅れ、工期の長期化、プレキャストコンクリート化などが絡み合って需要の下押し圧力が強まった。

東京地区の上期は数量ベースで43万m3のマイナスで、想定との対比でも33万m3下振れた。昨年度は豊洲新市場工事向けの出荷が盛期だった反動減に加え、様々な因子が重なって予想以上の不振に陥った。

千葉西部も25%近い落ち込みとなった。主力の外環道工事向けの出荷が一時的にペースダウンしたため。千葉中央も新規物件が乏しい中にあって大型工事の着工が遅れ2割減となった。

神奈川と埼玉中央は不振を極めた昨年度と比べれば減少率は小さくなっているものの、復調のペースは緩やか。一方、千葉北部は物流倉庫工事が始まった8月以降、回復基調が鮮明になっている。

下期は千葉北部など一部を除いて需要環境が大きく好転するような状況ではない。東京地区は下期もピッチが上がらず、10年度に記録した過去最低310万m3を更新する。一方で9月末契約残は428万m3と前月から70万m3以上増えた。これには新国立競技場の15万m3を含む。10月以降も100万m3以上の新規引合いが見込まれており、近い将来に出荷量が跳ね上がるのは確実だ。

埼玉中央と玉川は2年連続、千葉中央は2年ぶりにそれぞれ過去最低を更新するのは濃厚とみられる。