1;高・中流動コン委を設置~国交省
国土交通省のコンクリート生産性向上検討協議会(前川宏一会長=東京大学教授)は3月31日、コンクリート打設の効率化に向けて高(中流動)コンクリート委員会(橋本親典委員長=徳島大学教授)を設置することを決めた。土木学会と連携しながら、効果を検証し、2017年度までに土木構造物設計ガイドラインを改定する。
コンクリート打設の効率化のポイントは、スランプなどの仕様規定の見直しと合理的な検査のあり方の構築の2つ。これにより、高密度配筋などによるコンクリート締固め作業の負担を軽減する高流動(中流動)コンクリートを使いやすくする環境を整える。高流動(中流動)コンクリート委員会の事務局は日本建設業連合会に置き、全国生コンクリート工業組合連合会、コンクリート用化学混和剤協会、土木研究所などが参加する。
高・中流動コンのほか、「機械式定着工法、機械式継ぎ手」、「鉄筋のプレハブ化(サイトプレキャスト)・柱、梁部材の分割・部材のプレキャスト化」、「大型分割製品の規格化」の3つの委員会の設置を決めた。各委員会で事例や標準仕様の例を収集し、順次検討がまとまったものから土木構造物設計ガイドラインに盛り込む。第一次のガイドライン改定案は今年度中、最終案は来年度に公表する。
また、要素技術の一般化に向けて、品質規定(検査のあり方)も見直す。議論のポイントは「効率的な検査」、「性能規定化に対応した検査」、「品質向上に資する検査」の3点で、受注者の自由度を高めるための仕様とする。また、品質を確保しつつ、検査を合理化するための手法を検討する。品質規定の見直し後、工事関連基準の見直しを行う。
前川会長は「厳しい日程だが、ガイドラインの改定を急いでほしい」と述べた。