1;セメント大手が白舗装高性能化を推進
太平洋セメント、住友大阪セメントはコンクリート舗装のさらなる普及を図るべく、舗装技術の高性能化を推進している。速硬性材料を活用した早期交通開放型の舗装技術やゲリラ豪雨対策・ヒートアイランド対策に有効なポーラスコンクリート舗装が開発のテーマとなっており、実用化も進んでいる。
太平洋セメントはグループ会社と連携して早期交通開放型コンクリート舗装の開発を進めている。太平洋マテリアルの「Facet」や小野田ケミコ社の「スーパージェットコンクリート」などの速硬性材料を使うことで3~24時間で交通開放できる技術を確立。Facetを用いたコンクリート舗装はNEXCO発注の緊急補修工事などで採用され、高速道路の料金所や路肩などで施工実績を伸ばしている。同社では養生期間や交通規制時間の制限の短縮が求められる中小規模の舗装工事をターゲットに提案していく考えだ。
舗装用ポーラスコンクリート「トーハイクリート」は車道用と景観舗装用に展開し、施工実績を重ねている。車道用のトーハイクリートSは国道や県道、高速道路の料金所などで20件程度採用されており、施工面積は累計で2万m2以上に上る。高強度コンクリート技術を応用して連続空隙量の増大を図り、透水性・貯水性を高めた技術も開発し、2013年11月に中央研究所(千葉県佐倉市)で試験施工を実施した。
住友大阪セメントは1DAY PAVEの技術開発および施工実績を着実に重ねている。11年2月に京都の宇治川堤防に初採用されたのを皮切りに、同社が対応した物件は試験施工、公共・民間発注合せて18件で、施工面積は4492m2に上る。また、超速硬セメント「ジェットセメント」を活用して施工期間の短縮を図る技術開発も進めている。
鹿島建設と共同開発したポーラスコンクリート舗装「ハイペック」、「エコペック」は着実に施工実績を重ねている。車道用のエコペックは国道や県道、高速道路の車道、料金所など5件で合計1万1830m2の実績がある。13年には阪神高速淀川左岸線で高速道路本線としては世界で初めて採用された。歩道・建築外構用のエコペックは建築外構や駐車場、公園歩道など58件で3万2402m2の実績がある。同社では短時間で開放できる速硬型のポーラスコンクリート舗装技術の開発に取り組んでいる。