1;10月出荷分1万2800円~大阪広域生コン協組
大阪広域生コンクリート協同組合(大阪市)の木村貴洋理事長は15日開いた臨時総会で生コンの販売価格について、10月1日出荷分から1万2800円(18・18・20)の完全実施を目指す方針を打ち出した。建値1万5800円から3000円引きで、建設物価の表示価格に比べて1000~1400円高い。大量加入で市場占有率が40%から90%近くまで上がり、値戻しの環境が整った。新規加入会社の持込分を含め未出荷や出荷遂行率の低い旧契約は9月末で白紙撤回し、1万2800円で新たに契約を結び直す。同協組はこれから4年かけて販売価格を段階的に引き上げ、建値到達を図る。
臨時総会では、2015年度事業計画・収支予算案、2015年度の新規加入組合員の手数料・賦課金、決議文採択、理事補充選任、定款の一部変更の5議案を審議、可決された。今年度の出荷予想を260万m3と当初計画から20万m3引き上げた。理事補充では阪神地区生コン協同組合理事長を務める矢倉完治氏など7名を新たに選任した。
今月1日付で大阪広域協組に32社39工場が新規加入。組合員数は89社109工場となり、組織率は工場ベースで約80%に達した。 木村理事長は臨時総会のあいさつで、「安売りが止まり、組合員各社の経営基盤が安定するものと期待している」と述べたうえで、「今後はさらに新規加入促進に努め、10月1日に組織率95%以上、1万2800円までの値戻し」を目指す方針を表明。新規加入会社のシェア設定作業を進め、来年4月1日からの「共同販売およびシェア運営の完全実施に向け万全の体制を整える」とした。
組織強化と並行して、顧客満足度の向上として配合内容の見直しや安定供給体制の構築に取り組むとし、「今後4年を展望してユーザーの理解を得ながら1万5800円の収受を目指す」と述べた。組合員に対し、定款や規約などの遵守を呼びかけたうえで、「正確な出荷数量報告」、「値引き販売の停止」、「配合の遵守」、「経営環境の整備」などを求めた。
今回の大量加入で大阪市場は、4極構造に終止符が打たれ、協組優位の2極構造へと変容した。中期的な価格政策を大阪広域協組が打ち出したことで、次の焦点は適正価格の確保に移る。団結力の強化の一方で、市場と対話する姿勢も求められそうだ。