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2014年10月02日号

1;耐用年数50年の白舗装~中国地整

国土交通省中国地方整備局は今年度、耐用年数を50年に設定したコンクリート舗装を施工する。採用箇所は東広島・呉道路の金剛山トンネル内と、盛土及び切土をあわせて約1km。トンネル部では、10年前に島根と広島を結ぶ作木大和道路の両国トンネル(約3・2km)で、50年設計のコンクリート舗装を施工、供用しているが、今回は明かり部も含まれる。明かり部で50年設計のコンクリート舗装を採用するのは初めて。今後、東広島・呉道路コンクリート舗装長寿命化に関する検討会議(議長=佐藤良一広島大学特任教授)を中心に、地盤の支持力など設計時の条件、50年間にわたる耐久性の調査手法を検討する。

同省が2012年度の道路関係予算に「コンクリート舗装の積極的活用」を盛り込んで以降、国交大臣の諮問機関である社会資本整備審議会でも、コンクリート舗装の長期耐久性を活用すべきとの意見が出されている。こうした中、同地整は12年度に「コンクリート舗装活用マニュアル」を取りまとめるなど、コンクリート舗装を積極的に推進してきた。

コンクリート舗装の耐用年数は現在、アスファルト舗装と同じ20年だが「長期耐久性があるコンクリートの優位性を活かす」(同地整)ため、50年設計とした。東広島・呉道路は自動車専用道路で、重交通道路になると予想されるため、スリップフォーム工法による連続鉄筋コンクリート舗装(CRCP)が計画されている。

同地整は今回の施工をコンクリート舗装の耐用年数の長期化に向けた資料の一つにする。また、今年度中に検討会議での議論を踏まえてマニュアルを策定し、同地整発注工事におけるコンクリート舗装の採用箇所拡大を目指す。マニュアルには、CRCPのほか、普通コンクリート舗装(NCP)などコンクリート舗装の種別ごとにメリットとデメリットを明記する予定だ。