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2014年07月31日号

1;生コン出荷が減速~下期から回復公算

セメント、生コンの出荷が減速している。4~6月の全国の生コン出荷は前年同期に比べ0・9%減の2316万5千m3と第1四半期では4年ぶりに減少した。セメントは6月の国内販売が18か月ぶりに減少し、4~6月で0・4%増の1097万3千トンにとどまった。昨年度まで需要の拡大をけん引してきた東北、関東一区、九州で荷動きが鈍化。建設業界の人手不足による工程遅延や工事が端境期入りしたことなどがその要因とされる。建設投資はなお旺盛だが、上期中は盛り上がりを欠いた状態が続きそう。東北での震災復興や東京都心での民需が再び活発化する下期から回復に転じるとの見方が強い。

生コン出荷は全国生コン両連合会が28日発表した出荷実績による。災復工事の終息や建設作業員不足で工事の進捗遅れが各地で顕在化し、4~6月は官公需、民需とも落ち込んだ。官公需は3年ぶり、民需は4年ぶりの減少。

地区別では東北、関東一区、北陸、九州の4地区が減少だった。東北は東日本大震災の復興工事の遅れ、九州は九州北部豪雨災害復旧工事が終わった反動減である。関東一区は消費増税による住宅着工の減少があるが、工場設備投資や倉庫着工など工事量そのものは減少していない。作業員不足による工事遅れや天候不順が影響した。作業員不足の影響は首都圏以外にも波及している。東海は0・5%増だったが、最大需要地の愛知県は2・1%減。三河地区の新東名高速工事が遅れ、開通を1年延期すると発表している。

近畿、中国、四国は道路工事や民間が好調で出荷増だった。近畿は和歌山以外の4工組で増加、中国は岡山県がバイオマス集積基地関連、山口県は基地工事が出たため。四国は地震対策工事のある徳島県、高知県が増加した。

関東一区低調・ セメント6月販売

6月のセメントの国内販売は、前年同月に比べ0・6%減の365万6千トンだった。「首都圏の低迷が全体を押し下げた」(藤末亮流通委員長)ことが要因。関東一区は連続減少が5か月になったほか、東北も2か月連続の前年割れだった。一方、東海や近畿は民需の活発化などで堅調を持続している。また、生産は、定期修理が重なったため、3・3%減の480万9千トンと16か月ぶりにマイナスした。

4~6月の販売は東北、関東一区、北陸、中国、九州の5地区で前年を下回った。北陸は新幹線工事が一巡し、九州は災害復旧がピークアウトしたため。

7月の国内販売は20日時点の1日当たり前年比で8・0%減となった。台風の影響も受けた。