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2014年03月20日号

1;直轄国道の3割がコンクリート舗装~名古屋国道事務所

全国平均の6倍、直轄国道の約3割がコンクリート舗装となっている名古屋。国土交通省中部地方整備局名古屋国道事務所管理第二課の松本康弘課長は「適材適所でコンクリート舗装を採用してきた結果」と語っている。

初めて名古屋でコンクリート舗装が行われたのは、全国的に道路網の整備が積極的に行われていた1950年代。主要幹線道路である国道1号、19号で試験的にコンクリート舗装を採用した。  同事務所がコンクリート舗装を推進するきっかけになったのは、1983年の「名国設計要領」である。50年代に試験施工されたコンクリート舗装の長期耐久性、修繕頻度が少なかったことが評価され「重交通路線の交差点部や共同溝整備個所でコンクリート舗装を積極的に施工する」と明記した。

同事務所の位置付けが全国的にも珍しかったことも、設計要領の盛り込みに大きく影響している。一般的な国道事務所は、道路の新設と維持管理を同じ事務所で行うが、同事務所は中部地方整備局の愛知、名四両事務所が新設した道路の維持管理のみを行っている。設計要領を作成後、同事務所は維持管理の観点から愛知、名四両事務所にコンクリート舗装を採用するよう働きかけた。この結果、名古屋ではコンクリート舗装の採用が広がった。名古屋市営地下鉄、桜通線の上部を通る市道にもコンクリート舗装が採用されている。

松本課長は「コンクリート舗装は、本当に手間がかからない。修繕する機会もほとんどない」という。1962年に普通コンクリート舗装が試験施工された国道19号(名古屋市中区、4・8km)は、2000年に一部打換え、オーバーレイされたものの、40年間に大規模修繕された記録はない。オーバーレイ区間の下層には、今もコンクリート舗装が残っている。コンポジット舗装と通常のアスファルト舗装を比較すると、コンポジット舗装の方が、修繕頻度が少ないことから、「コンポジット舗装になっても、コンクリート舗装の良さは活きる」(松本課長)と語っている。

同事務所ではオーバーレイ区間もコンクリート舗装としてカウントしている。供用中のコンクリート舗装を削って、コンポジット舗装にした場合、上層のアスファルト舗装の部分には、コンクリート舗装の目地に沿ってひび割れが生じやすくなるためだ。同事務所では、過去に行われたコンクリート舗装の実績を調査し、コンポジット舗装の施工箇所を把握して、修繕業務に活かしている。