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2013年09月26日号

1;宮城 稼働率20%超~生コン

震災復興工事の本格化に伴い東北の生コン工場の稼働率が上昇している。経済産業省がこのほど発表した2013年4~6月期の生コン流通調査統計調査によると、同期の東北の稼働率は12・7%と前年同期に比べ3・3ポイント上昇、2012年10~12月期を上回り、震災以降の最高値を記録した。中でも、宮城は20%を超える高稼働率だった。

同調査は月産1万4千m3以上の事業所が対象。同期の全国の生コン出荷数量は5・9%増の1458万7千m3だった。土木、建築ともに前年実績を上回った。土木では、港湾・空港向けが64・9%増と急伸。建築では住宅向けが5・2%、非住宅向けが8・0%それぞれ増加した。

経済産業局別でみると、前年実績を上回った北海道、東北、中部、中国、九州、沖縄の6地域のうち、2ケタ増は東北(33・7%増)、九州(20%増)、沖縄(13・4%増)の3地域だった。九州は豪雨被害からの災害復旧工事が出ている。

稼働率は0・7ポイントアップの10・3%だった。近畿経済産業局管内を除く9局で上昇した。

中でも、上昇著しいのが東北だ。激甚被災地では、宮城が8・4ポイント増の22・6%、福島が5ポイント増の15・4%、岩手が2・9ポイント増の11・7%と全国平均を上回った。残り3県も0・3~2・5ポイント上昇した。

宮城は2期連続で稼働率1位だった。次いで神奈川19・1%、東京18・3%、千葉15・8%の順など。

激甚被災地では今年に入り復興工事が本格化しており、7月以降も高い稼働率が続いているもよう。生コンの供給能力不足が指摘され、復興用プラントの建設も相次いでいる。

能力は1%減

一方、同調査によると、6月末時点の全国のプラント基数は前年同期末比に比べ27基減の1787基だった。一時よりペースは鈍化したとはいえ、なお減少傾向が続く。そのため、月産生産能力は前年同期比1%減の4715万7千m3となった。数量増の一方での能力ダウンが稼働率を押し上げている側面もある。