1;条件満たせば白舗装~山口県
山口県は6月29日、地下埋設物の設置を伴う沿道開発が見込まれない箇所などの条件を満たすことを前提に「原則としてコンクリート舗装を使用する」と明記した「やまぐち産業戦略推進計画(中間案)」を公表した。推進計画では、今年度に条件を満たす整備箇所を抽出するほか、コンクリート舗装の活用マニュアルを作成する。
山口県はコンクリートの材料となるセメントや石灰石が盛んで県内の主要産業の一つ。コンクリート舗装の原則使用によって、セメントや石灰石産業の振興、地産地消を促進するとともに、コンクリート舗装の特長である高い耐久性を活かす。推進計画では、「新たな地産地消開拓戦略」のプロジェクトとして「コンクリート舗装の利活用促進」を盛り込んだ。プロジェクトは今年度から2016年までの4年間活動する予定。
山口県が管理する舗装済みの道路では、コンクリート舗装の割合が2・3%と低い。これまでもコンクリート舗装はトンネル部やアスファルト材料の調達が困難な山間部、離島などで使用されてきたが、これから県道に加え、農道、林道、漁港道路などにも使用範囲を拡大する。
コンクリート舗装の適用箇所は新設だけでなく、打ち換えも含む全路線。適用条件は、①地下埋設物の設置を伴う沿道開発が見込まれない箇所②軟弱地盤上でない箇所③早期に交通を解放する必要性が小さい箇所④騒音対策の必要性が小さい箇所、の4点。
また、コンクリート舗装箇所として最適とされる重車両交通量の多い道路では、③と④を満足しない箇所でも、早期の交通解放が可能になる工法や、騒音を低減させる工法のコストや効果を検証の上、積極的に採用する。
活用マニュアルは、コンクリート舗装の適用箇所の選定について、発注担当者の考え方を統一させるために作成する。マニュアルには、プロジェクト期間中に行うコンクリート舗装のコストや効果を検証して、順次反映させていく考えだ。
年間1万4千m3相当
新設道路で、条件に合致するのは約半分とみられる。山口県内の国道、県道の舗装道路は10年度から11年度で5・4km増えており、このうち半分にコンクリート舗装が採用されると、生コン需要は1万4千m3となる。一方、市町村道の舗装道路は1年間で660km増えており、この半分に採用された場合、25万m3となる。今後、市町村道への展開、波及が需要開拓のカギになりそうだ。