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2013年01月31日号

1;東京協組が値上げ~生コン

 東京地区生コンクリート協同組合(東京都中央区、吉野友康理事長)は29日、生コンの販売価格を6月1日以降の新規引合分からm3当たり500円引き上げると発表した。骨材を中心とする諸資材価格の上昇分の転嫁に加え、設備の維持・更新原資を確保する目的だ。同協組は、「コストアップの吸収は限界。歩留まりなしで満額獲得を目指す」(西森幸夫委員長)構え。 値上げは500円上げた2011年12月以来、1年半ぶり。これまでの市況対策によって売価水準は「300円程度上がった」(吉野理事長)。それを映して昨年12月に『積算資料』、1月に『建設物価』の東京17区の表示価格が200円引き上げられ、それぞれ1万2200円、1万2500円となっている。
 前回の値上げ以降、コストアップ要因が目白押し。昨春に電力料金が上がり、さらに、昨秋から千葉や内陸の骨材生産会社が相次いで値上げを表明。太平洋セメントや住友大阪セメントなどメーカー各社もセメント値上げに動き始めている。
 中でも、ダンプや船舶の不足、乗務員の高齢化で物流が弱体化する骨材問題は深刻とされている。今回の骨材値上げは、コスト転嫁とともに、物流の修復を目的としており、「一定レベルの値上げは受け入れざるを得ない状況」(西森委員長)と見られている。また、収益力の低下で組合員各社は設備投資を控えており、更新から10年以上経過したミキサが約6割を占めるという。
 同協組は昨年暮から販売価格改定の検討に着手、28日に開いた理事会で500円値上げを決めた。29日に登録販売店会議を開き、値上げ方針を伝えた。来週から主要ゼネコン約40社を対象に、全理事による要請活動を始める。
 6月1日以降の定価(旧建値)は、1万4500円(18・18・20)、仕切価格は1万3950円となる。売上割戻など諸々の費用を差し引いた実質の仕切価格は1万3000円。小型物件や夜間物件、軽量コンクリートの定価もそれぞれ500円引き上げる。
 関東一区では昨秋から生コン協組が相次いで値上げを表明している。湘南、横須賀地区両協組が11月から、神奈川協組が12月から販売価格を700~800円上げた。埼玉中央、埼玉北部両協組は4月から700円引き上げる。また、三多摩協組が2月にも販売価格を改定するほか、東関東協組や玉川協組なども値上げを検討している。