2024年11月21日号
1;内需低迷、業績の足かせ~セメント決算
セメント大手3社の2024年4~9月の連結決算が12日、出揃った。営業利益は全社で前年同期を上回った。セメントの値上げ効果、石炭価格の下落などエネルギーコストの改善が寄与した。ただ、業績回復の勢いは濃淡がある。太平洋セメントは国内セメントが黒字転換した一方、住友大阪セメントはセメント事業の赤字を解消できなかった。25年3月期は、太平洋、住友大阪が下方修正した。国内需要の縮小による数量の減少などが理由。3社は今年度の国内需要予想を3300万㌧と200万㌧引き下げた。国内需要に底打ちの兆しは乏しく、収益回復の足かせとなる中、来春のセメント値上げを完遂できるかが来年度以降の業績のカギを握りそうだ。