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2021年11月18日号

1;セメント事業の収益低下で全社減益

石炭価格の高騰の影響で、セメント各社のセメント事業部門の収益が低下している。11日までに出そろったセメント5社の2021年4~9月期の連結決算は、セメント事業部門の営業利益が軒並み減益となった。石油価格の上昇で物流コストも膨んだ。足元ではコスト負担が一段と重みを増しており、22年3月期はトクヤマが15億円の赤字、住友大阪セメント、三菱マテリアル、宇部興産が6~7割の大幅減益を見込む。住友大阪はセメント関連から建材、鉱産品を除いたセメントは赤字予想。太平洋セメントも国内セメントの利益が半減する。各社はセメント事業の継続に黄色信号が灯りかねないとしてコスト増を転嫁する大幅値上げを表明。強い姿勢で需要家との交渉に臨み、早期決着を目指す。