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2018年12月13日号

1;設備削減ペースは緩慢~生コン上半期

全国生コン両連合会によると、2018年9月末の全国の生コン工場数(自家用・ドライ除く)は今年3月末に比べ12工場減の3323工場だった。出荷量は過去最低の水準だが、全国的に生コン市況が安定していることもあり、集約化や廃業を選択する会社は少なく、工場の減少傾向は緩やかだ。
08年に世界的な金融危機の影響で生コン出荷量が大幅に減少したことを受け、全生連は09年に工場の集約化を柱とする構造改革に着手した。一方で11年に震災や豪雨災害が発生したことを受けて全国的に生コン需要が回復。13年度の出荷は10年度比で1350万m3増の9885万m3となった。生コン協同組合の組織強化に加え、輸送コスト、骨材など原材料価格の上昇に伴う価格転嫁が進み、生コン市況は全国的に上昇。出荷は減少局面に入っても価格は安定しており、工場の採算も維持できているとみられる。
全国生コン両連合会が先月公表した今年度の全国の生コン出荷予想は、前年比1・4%減の8250万m3と過去最低を3年連続で更新する。ここ数年、需要の地域偏在が広がっており、足元では五輪や新幹線などの大規模工事が出ている首都圏や北陸などに需要が集中する。一方で特需から取り残された地域などでは需給ギャップがじわじわ拡大しており、工場集約への取り組みが再び加速する可能性が高い。
18年9月末時点の地区の工場数は次の通り(3月末からの増減)▽北海道303工場(2工場減)▽東北301工場(2工場減)▽関東一区512工場(2工場減)▽関東二区283工場(増減なし)▽北陸200工場(1工場減)▽東海335工場(1工場減)▽近畿353工場(2工場減)▽中国254工場(2工場減)▽四国171工場(2工場減)▽九州611工場(2工場増)