1;来月に5社7工場加入~茨城南部生コン協組
茨城県南部生コンクリート協同組合(つくば市、塚田伸理事長)に12月1日付で有力員外5社が新たに加入する。これを受けて同協組は市況対策強化へと舵を切る。来年1月1日以降の新規引合受付分から販売価格を1000円引き上げ、1万1500円(18・18・20)に改定する。値上げは2014年4月以来、4年9か月ぶり。
原材料費の上昇や輸送コストの高騰に加え、老朽設備の維持管理や人材確保に伴う労働環境改善に関わる原資確保などを受け、生コン価格に転嫁する。旧契約分のうち、民間物件は3か月条項、官庁物件は6か月条項をそれぞれ適用する。9日に開いた登録販売店会議で正式に意思表明をした。筑西市や古河市などの県西支部でも来年1月以降の新規引合受付分から500円上げて1万1500円(同)とする。すでに顧客へのPRを進めており、理解を求めるとともに早期の値上げ浸透を目指す。
今回加入するのは五月女生コン、荒川沖建材店、成毛建材店、アカギ建材生コン、大里ブロック工業の5社7工場。これにより同協組は16社17工場となる。
同協組の販売エリアは員外社が多く、昨今の需要減少に伴う受注競争が続いており、協組では組織率向上と市況改善に向けた取組みを模索してきた。一方、新規加入の5社も同様に将来に対する危機感を強めていたとみられ、今年になって県内の鹿島生コンクリート協同組合、茨城県北部生コンクリート協同組合が相次いで値上げを打ち出したことも組合加入を検討する契機となったもよう。今秋になって協組に申し入れがあり、今回の合意へとつながった。
塚田理事長は「有力5社から是非一緒にやりたいと申し出があり、我々も受け入れることとした。従来までの協組とは様変わりするだろう。今後は組合員同士の結束力を高めて、まずは値上げを着実に浸透させていきたい」と意気込みを語った。
新規加入5社を除く同協組の2018年度の生コン出荷量は前年比9・5%減の43万7千m3(県南支部は10・2%減の29万2千m3、県西支部は8・2%減の14万5千m3)を想定。つくばでは夏に完成した大型物流施設「プロロジスパークつくば1」の第2期工事が進められており、第1期分とあわせて5万m3の出荷を見込む。それ以外の大型物件としては、圏央道の茨城区間で4車線化工事が予定されている。