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2018年10月04日号

1;市況対策強化を急ぐ~山梨生コン協組

山梨生コンクリート協同組合(甲府市、瀧田雅彦理事長)の最大の懸案事項だった組織率向上に向けた取組みがようやく実を結んだ。10月1日付で三谷商事系列のヤマヨセメントと柳澤建設大協生コンクリートが正式加入し、組合員数は2社3工場増えて13社16工場となった。
今回、新たに2社が加入したことで組合の組織率は90%以上に達したという。1~2年後にはリニア中央新幹線本体工事の本格化が予想される中、同協組では今回の成果を受け、「早期に適正価格を確保し、ここ10年来の価格競争で低迷したままの市況の立て直しを急ぐとともに、安定供給体制の構築を目指す」(瀧田理事長)と不退転の決意を示す。
営業委員会の武井謙二委員長は「信頼される生コンを安定供給していくという、組合本来のあり方を取り戻すには組織率向上が不可欠」と語る。このため同協組は、組合再構築に向けて5年前から組織向上委員会を設置。員外社を含めた座談会を開いて業界のあり方などを討議したほか、意見交換会も行い、相互の信頼関係を構築するべく努力を重ねてきた。その後、組織運営委員会に名称を変更し、折衝を重ねつつ、協組内の意見統一にも力を注いできた。こうした地道な努力が奏功し、今回の結果に結びついた格好だ。
リニア特需が間近に迫る一方、コンクリートミキサ車や運転手不足に伴う輸送コストの高騰、セメントや骨材といった原材料費の上昇など、コストアップ要因も多い。このため、同協組では10月中をメドに新たな体制の構築を急ぐとともに、早期に価格政策を打ち出し、県土整備部に対し積算価格の見直しを陳情するなど早期改定に向けて全力をあげて取り組む。甲府の表示価格は建設物価版2018年10月号で9500円(18・18・25)となっている。
瀧田理事長は「将来的に工場の集約化を含めた構造改革も検討していく。安定した組合運営を進め、業界全体の発展に尽くしていきたい」と語った。