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2018年05月31日号

1;ピーク時の4割に~昨年度生コン消費量

2017年度の人口1人当たりの生コン消費量は前年比横ばいの0・66m3だった。リーマンショック直後の09年度の0・67m3を下回った。生コン出荷量がピークをつけた1990年度の1・60m3に比べ41%の水準になる。全生連が発表した昨年度の出荷統計(非組合員は推定)と、総務省の人口統計(各年度10月1日時点)を基に算出した。
地区別では、東北が0・93m3で最も消費量が多かった。ただ、震災復興需要の進展で、13年度の1・10m3から4年連続でマイナスとなった。これに次ぐのが四国の0・90m3。4県とも全国平均を上回っており、特に防潮堤工事などがある高知は1・06m3だった。九州は、地震の復旧工事がある熊本が1・03m3と、前年から0・20m3増えたことが寄与し、九州全体では0・86m3となった。
ほかに都道府県別で消費量が1m3を越えたのは沖縄(1・62m3)、岩手(1・53m3)、福井(1・09m3)、高知と熊本の5県。最少の奈良(0・35m3)と最多の沖縄の差は4・6倍となる。
地区別の消費量は次の通り▽北海道0・67m3▽東北0・93m3▽関東一区0・56m3▽関東二区0・64m3▽北陸0・74m3▽東海0・63m3▽近畿0・55m3▽中国0・66m3▽四国0・90m3▽九州0・86m3
欧州連合の加盟国を中心に組織している欧州生コン協会(ERMCO、20か国)の統計によると、15年の生コン消費量は0・65m3と、日本とほぼ同じ。05年から08年まで0・83m3~0・92m3で推移していたが、リーマンショック以降、漸減している。ただし、ERMCO加盟国でも国別の差が大きい。イスラエルは前年から0・20m3増の1・93m3だが、ポルトガルは横ばいの0・27m3と、その差は約7倍に達する。ERMCO加盟国で1人当たりの消費量が1m3以上だったのは、イスラエルのほか、オーストリア、ベルギー、スイス、トルコの5か国だった。
米国は増加基調
一方、米国における15年の1人当たりの生コン消費量は前年比0・09m3増の0・81m3だった。米国は10年から増加傾向になっているが、リーマンショック前の07年水準(1・06m3)には届いていない。