1;モルタルバー優先削除~アル骨試験
骨材のアルカリシリカ反応性試験方法(化学法、モルタルバー法)のJIS改正で、「モルタルバー法の試験結果優先」の記述が削除される。日本工業標準調査会の土木技術専門委員会(JISC)は16日、東京・霞が関の経済産業省で審議を行い、記述を削除する方向で改正することを承認した。そのほか、コンクリート用膨張材JIS(A6202)の改正内容も審議した。
化学法(JISA1145)とモルタルバー法(JISA1146)はもともと、生コンJIS(A5308)の附属書に記載されていたが、2001年に単独の試験規格として独立した。現行の規格では、化学法で「無害でない」と判定された骨材も、モルタルバー法で「無害」と判定された場合はその結果を優先しても良いとされている。生コンJISの附属書に記載されていた時から運用されていた。
原案作成委員会では、試験規格のJISはあくまでも結果を導くための手順を規定したものと指摘。判定結果の優先性を記述していることは、試験方法の信頼性が得られていないとの誤解を招くとして、優先性に関する記述を削除した。
JISCの審議では、モルタルバー法優先の記述削除で、化学法とモルタルバー法で異なる結果が出た時に、現場に混乱が生じるのではないかとの指摘が出た。それに対して原案作成者側は、生コンJISにはモルタルバー法の試験結果を優先するとの記述が残っており、ユーザーはそれに基づいて判断するため、大きな混乱は生じないとの見方を示した。
このほか、試料調整用装置及び器具に関する記述を両JISで統一したほか、JISA1158(試験に用いる骨材の縮分方法)の制定に対応し、試料の調整の記述に縮分方法を追記した。
一時話題となった両JISに記載されている判定基準に関する記述は、従来通りとなった。