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2016年11月03日号

1;高強度、大臣認定が主流~全国生コン連合会

全国生コンクリート工業組合連合会はこのほど、生コンクリート配合の実態調査結果報告書をまとめた。昨年度に2014年度の実態を調査したもので、配合強度の分布、空気量や水セメント比、単位水量などだけでなく生コン工場のセメント(粉体)サイロの本数など設備も調査した。この結果は今後、多方面において生コン業界の基礎的なデータとして活用されそうだ。

今回の調査の回答工場は1923工場で、返信率は71・5%。普通コンクリートのJIS認証取得率は100%。回答した工場の合計出荷量は年6300万m3で、1工場当たりの平均出荷量は3万2829m3。JIS品の出荷比率は全体の8割にあたる5100万m3で、JIS外品(非認証・規格外品)は2割。

混合セメントを使用した生コンの出荷量は1468万m3と全体の23%で、このうち98%以上が高炉セメントだった。

混和剤はAE減水剤が71%、高性能AE減水剤が25%、AE剤は3%だった。AE減水剤の高機能タイプは北海道や東北、北陸では全体の20%以下だが、近畿、中国、四国では70%を超えた。骨材事情や配合の相違によるものと考えられる。

配合については、土木配合(24・8)、建築配合(30・18)ともに9割以上の工場が普通セメント、高炉セメント両方を使用した配合を標準化している。配合強度はセメントにかかわらず、呼び強度24で4~6N/mm2、呼び強度30で5~8N/mm2割り増している工場が80%を超えていた。水セメント比は土木配合で50~60%、建築配合で45~55%が多い。

標準的な運搬時間は98%の工場が60分以内に設定し、30分以内の輸送が80%以上となっている。スランプロスは標準期と冬期では1~2cm、夏期は2cmに設定している工場が多かった。季節を問わず「運搬時間や配合条件の違いによって、ロス値が選択されている」としている。

高強度 関東一区で65%

高強度コンクリートは大臣認定品が主流となっている。14年度の大臣認定品の出荷量はJIS相当品(11万8千m3)の約14倍にあたる165万m3だった。関東一区で108万6千m3と、全体の65・8%を占めた。九州が8・1%(13万5千m3)、東海が7・8%(12万9千m3)、近畿が6・3%(10万5千m3)と続く。高強度の出荷比率が高い関東一区では高性能AE減水剤の使用割合も50%を超えていた。

大臣認定品を出荷している工場は全体の16%(308工場)あった。大臣認定品の出荷実績は「1千m3以下」が87工場と最も多いが、これに次ぐのが「9千m3以上」で58工場と出荷状況は二極化している。

高強度については、JISと大臣認定が一部重複する形となっているが、大臣認定業務の簡素化を目的に、生コンJISに定められた範囲については高強度JISを活用する方向性が検討されている。

舗装コンは4.5%

2014年度の舗装用コンクリートの出荷量は28万7千m3で全体の4・5%を占めた。このうち、JIS品は15万3千m3、非認証品は13万3千m3だった。地域別では、東北が8万4千m3で、東海と中国も4万m3超あった。最も少ない関東一区は9千m3だった。

舗装JISは全体の49%(945工場)が保有している。地域別では近畿が80%(137工場)、北海道が71%(127工場)、東海が68%(128工場)で、北陸、中国、九州も5割を超えている。東北と関東二区は30%台、関東一区と四国は10%台と低い。

過去に舗装用コンクリートを出荷した実績のある工場は31%(605工場)あり、総出荷量は50万m3だった。地域別では東海、中国、九州の実績が多かった。

道路補修用として近年注目を集めている1DAY PAVE(早期交通開放型コンクリート舗装)は早強セメントが標準的な仕様となっていることから、早強セメントの設備に関する調査も行った。これによると、全体の約6割にあたる1145工場が早強セメントの専用サイロを保有しており、その容量は50トン以下が多かった。