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2016年09月15日号

1;RC造 10年で半減

生コン出荷が低調に推移している要因として、大型工事の遅延、型枠工や鉄筋工などの職人不足、RC造(鉄筋コンクリート)からS造(鉄骨)への工法の変化などが複合的に絡み合っているとされている。このうち、建築工事で生コン使用量(原単位)が減少した要因を探った。2015年度の建築着工統計によると、RC造は2327万9千m2と、05年度(4699万3千m2)から半減しており、これが原単位低下の一因になっている可能性がある。

15年度の生コン出荷量は05年度(1億2154万m3)に比べ29%減の8706万m3と、大きく減った。その要因の一つとしてあげられるのが、生コン原単位の減少だ。2013年度に行われた建築工事では、請負工事費100万円当たりの生コン原単位は前回調査の11年度に比べ約2割減の2・07m3だった。生コンを使用する工事が減少したためとされている。

原単位が減少した要因の一つはRC造が減ったことにある。15年度の建築着工床面積は、05年度(1億8568万m2)に比べ30%減の1億2960万m2。構造別ではS造(鉄骨)が全体の減少幅と同じ30%減の4830万m2、木造は15%減の5413m2と減少幅が小さかったのに対し、RC造は半減、SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート)も47%減の290万m2と、生コンの使用量が多い工種で減少幅が大きかった。

マンションが大幅減

建築着工で居住用が占める割合は約6割と05年度からほぼ変わっていない。新設住宅の床面積は10年間で3割減の7559万2千m2となったが、問題はその内訳だ。ツーバイフォーの床面積はほぼ横ばいだが、RC造が主流となっているマンションは56%減の866万8千m2と大幅に減少している。

これを裏付ける形で、新設住宅におけるRC造の床面積は05年度が3186万7千m2だったのが、15年度は1481万5千m2と53%も減った。住宅全体に占める構造別の構成比も10・3ポイントも低下し19・6%となった。

マンションの減少が、建築分野における生コンの原単位低下の遠因になっていると推察される。