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2016年07月14日号

1;組織体制を抜本的見直し~大阪広域生コン協組

大阪広域生コンクリート協同組合はこのほど、組織体制を抜本的に見直した。「本部制」を新たに取り入れ、「営業」「業務」「戦略」「管理」「技術」の5本部を置き、副理事長を本部長に充てた。一貫性のある運営を徹底することにより組合機能のさらなる強化を図る狙いだ。

市況は着実改善

昨年の年明けあたりから大阪広域協組への大同団結が進展。組合員はこの1年で47社55工場増え、105社125工場となった。40%台だった市場占有率は95%超に跳ね上がり、価格形成力を取り戻した。

受注競争で陥没した市況の改善に向けて昨年10月に販売価格を建値から3000円引きの1万2800円(18・18・20)とする第1弾の値戻しに着手。それが浸透してきたことを受けて、4月1日以降の契約分を対象に1万3800円(同)と値引き額を1000円圧縮した。建設物価5月号では値戻しを反映して大阪主要各都市の表示価格が400~800円引き上げられ、1万2200円(同)で同額となった。

大阪広域協組は来年4月1日以降の契約分から値引きをなくして建値販売に移行する方針を打ち出している。それに先立って10月に戻りコン料金など付帯事項も見直す方針だ。

三役で執行本部会議

5月末に開いた今年度の通常総会で役員の任期満了に伴い新役員を選出。直後の理事会で木村貴洋理事長を重任した。専務理事には菅生行男氏が就いた。6月28日の理事会で副理事長に岡本真二、地神秀治、矢倉完治、岸田治夫各氏を選任するとともに、組織体制の見直しを承認。理事長、副理事長(本部長)、専務理事の三役で、組合運営をかじ取りする「執行本部会議」を構成する。

また、従来はブロック長が副理事長に就いていたが、今回は常務理事に就いた。各ブロック長は中央が上田純也氏、北が植田重夫氏、西が泊裕司氏、東部が高本克法氏、阪南が桜井照郎氏、南が植田浩司氏。

「価格設定を含め当協組への理解を深めてもらうために、近く理事を総動員して国、自治体など施主向けのPR活動を展開していく」(木村理事長)。新体制を内外に披露する懇親会も今月26日に開く。

全社参加で共販

6月1日から全社参加で共販事業を開始した。そのため、今年度の生コン出荷数量は前年比2・3倍の520万m3と一気に膨らむ見通し。

組合員のシェアは今年度が実績75%、能力25%で設定。今年度末までの時限措置として赤黒調整金をm3当たり1500円と従来の半額に下げた。来年度のシェアは実績と能力をイーブンとすることが決まっている。

また、共販ルールを担保するために、必要に応じて組合員に対する業務監査を実施する方向で検討を進めている。すでに監査法人と契約を結んでいる。

過渡期的措置として販売窓口も広げた。登録販売店は6月末時点で51社と前年に比べて13社増えた。近くもう1社加わり、新規登録をひとまず打ち切る。

生産規模の適正化も重点課題の1つだ。大阪広域協組は発足後、シェア買い上げ方式で約60工場を廃棄した。だが、新増設がとまらず、その効果は限定的だった。資金的な問題からシェア買い上げ廃棄を中断して工場間で生産を受委託する協業化を推奨しており、今年度の稼働工場は125中117となっている。

域内工場のほとんどが合流したことを機に、需給バランスの適正化について改めて検討する。単なる工場廃棄だけでなく、余った用地の有効利用策まで踏み込みたい意向だ。

心の構造改革

大阪広域協組の運営方針について木村理事長は「市場占有率が95%を超えたからといって油断は禁物なので、常に新しい気持ちで運営に臨みたい。あまり強引になり過ぎず、健全な精神が組織に宿るよう心の構造改革に取り組みたい」と語った。