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2016年06月02日号

1;下期から需要回復へ~生コン・セメント

4月の生コン出荷(非組合員は推定)は前年同月比7%減の668万6千m3、セメントの国内販売(輸入除く)が5・6%減の329万7千トンと、それぞれ19か月連続、10か月連続で前年実績を下回った。ただ全国生コン両連合会、セメント協会とも、東京オリンピック・パラリンピックなどの大型物件が動き始める今年度下期から需要が回復すると見込んでいる。

全生連が5月26日発表した4月の生コン出荷量によると、地区別では北海道、関東二区、中国の3地区で前年実績を上回った。工組別では12工組がプラスで、このうち2ケタ増となったのは福井、奈良、長崎、広島の4工組。一方、2ケタのマイナスは14工組だった。

今後2~3か月先の需要動向については「やや増加」が前月と同じ4工組(岩手、福井、愛知、京都)、「前年並み」も横ばいの9工組、「やや減少」は3件増の22工組、「減少」は3件減の11工組だった。

北海道がプラス・セメント国内販売

セメント協会が同日発表した4月のセメントの国内販売では、地区別では北海道のみプラス。ダム工事が3件動き出したため。九州は熊本地震の影響で低調だった。5月の国内販売は20日時点で前年同月比8・3%減となっている。

輸出は9・4%増の78万3千トンで4か月連続のプラス。在庫はセメント工場の定期修理が重なった影響で前月比7・3%減の434万1千トンだった。

全生連、セメント協会とも今年度下期から需要が回復すると予想している。その予想の根拠は東京オリンピック・パラリンピック関連工事のほか、リニア中央新幹線、都心の再開発、インフラの再整備などで、ゼネコンも未着手の工事を多く抱えている。

一昨年度、昨年度は年度当初に下期から需要が回復するとの予想が外れたが、「今年こそ本格化する」(同協会)としている。