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2016年05月12日号

1;官公需、過去最低更新~生コン昨年度出荷

全国生コンクリート工業組合連合会、同協同組合連合会が4月27日発表した2015年度の生コン出荷量(非組合員は推定)は前年比7・4%減の8706万1千m3で、2年連続のマイナスとなった。官公需は9・8%減の3720万8千m3で、過去最低だった11年度実績(3827万6千m3)を更新した。民需も5・5%減の4985万4千m3となり、いずれも2年連続のマイナスだった。出荷構成比は官公需が42・7%、民需が57・3%と民需が1・2ポイントアップした。

15年度は東北の被災地で震災復興が盛期を迎え、首都圏では東京オリンピック・パラリンピックの関連施設の建設計画などがあることを見込み、下期から需要が回復するものとみられていた。その予想が見事に外れた格好となった。災害復旧工事や新幹線の延伸工事など特需が相次いで終わったことに加え、消費増税に伴う需要回復の遅れ、職人不足、生コン使用原単位の低下など複合的な要因が重なった。

地区別では全地区でマイナス。特に北海道新幹線の延伸工事、災害復旧の特需が終息した北海道と九州は2ケタ減だった。工組別で前年実績を上回ったのは、福島、岩手、福井、三重、大阪兵庫の5工組。福島と岩手は東日本大震災の復旧工事、福井は新幹線の延伸、三重は北勢地域で進められている東海環状道路などがプラス要因。一方、前年実績を割った41工組のうち、21工組で2ケタ減だった。

全生連では今年度の出荷を8349万1千m3と予想している。下期から東京五輪関連工事が動き出すと見込んでいるが、「局地的なもので、出荷減に歯止めがかからない」とみている。想定通りだった場合、10年度に記録した過去最低出荷量(8527万m3)を下回る。