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2015年04月09日号

1;東京地区、3年ぶり増加~関東一区14協組昨年度生コン出荷

関東一区で生コンの共同販売事業を行う14協同組合の2014年度の出荷数量は、前年比3・7%減の1332万m3となり、前年実績を2年ぶりに下回った。東京地区が3年ぶりにプラス転換した反面、民需の不振や特需の終息で神奈川、湘南、千葉中央が過去最低を更新した。従来予想を下回ったのは10協組に上った。現場の作業員不足による工事遅延も引き続き下押し要因になったもようだ。15年度予想は横ばいの1337万5千m3と回復力は弱い。民需が勢いを取り戻すかどうかが1つの焦点。一部の協組は「期待」も込めており、先行き不透明感がなお根強い。

昨年度の出荷が前年を上回ったのは東京地区、三多摩、千葉西部、千葉北部、千葉北総の5協組にとどまった。東京地区は下期に入り豊洲新市場や都心の再開発、倉庫といった大型工事向けの出荷が相次いで本格化し、上期のマイナスを取り返した。三多摩は従来予想に対して約4万m3下振れた。期待に反して民需の荷動きが弱かった。千葉西部は倉庫工事や外環道工事がけん引して大台目前に迫った。千葉北部や千葉北総は倉庫工事などが出ている。

一方、湘南は相模縦貫道工事の終息も響き初めて100万m3の大台を割り込んだ。神奈川は主力のマンション工事の減少が主因。千葉中央は前年度に大型工事が集中した反動で半減した。埼玉中央、埼玉北部は圏央道工事のピークアウトに伴い下期に入り失速した。玉川は現場トラブルなどによる工程の遅れ、東関東は大規模マンション工事や倉庫工事の一巡が要因と見ている。

15年度は増加予想が8協組、減少予想が6協組と地域によって好不調がばらつく。出荷先の7割弱を占める民需の動向と現場工程がこれからの荷動きを左右しそうだ。

昨年度不振を極めた神奈川、湘南、千葉中央が増加に転じる見通し。東京地区は終盤から東京オリンピック・パラリンピック工事が出てくれば上振れは必至。外環道工事向けの出荷が本格化する千葉西部は8年ぶりに大台に到達する。玉川はオフィスビルや再開発など複数の大型案件を抱えている。

一方、埼玉中央は少なくとも上期いっぱいは勢いを欠き、180万m3を割り込む。秩父地区は市庁舎建替え工事があるものの、一般の公共事業が少なく5万m3にとどまる。埼玉北部は5月以降の出荷の支え役が見えず2ケタ減を見込む。三多摩は需要規模10万m3以上の法務総合センター工事が始まることから上振れる可能性もある。