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2015年03月26日号

1;公共工事で採用広がる~1DAY PAVE

昨年末から今年にかけて公共工事での1DAY PAVE(早期交通開放型コンクリート舗装)の採用が増えている。セメント協会のまとめによると、3月時点で公共工事への採用実績は、9件で合計施工面積は2981m2に上る。採用された9件は全て西日本で、そのうち4件は山口県で採用されている。

最初に採用されたのは2014年6月に行われた山口県企業局の厚東川(ことうがわ)の水道橋改築工事。工事の資器材搬入用の道路で使用された。山口県は13年、地域の基幹産業であるセメント、石灰石鉱業の地産地消戦略の一環でコンクリート舗装を積極的に採用する方針を表明。14年には「コンクリート舗装活用マニュアル」を刊行するなど採用しやすい環境を整えている。

同工事は、道路の勾配が最大で12・5%あり、通常のアスファルト舗装では対応できなかったこと、また工期を短縮するため1DAY PAVEが採用された。施工面積は720m2。出荷を担当したのは、宇部興産の技術研究所、弥生道路など4現場に出荷した実績があった萩森興産の宇部工場。同工事向けに123・5m3を出荷した。

また山口県では昨年12月に下関市発注の阿弥陀寺町11号線観光施設周辺道路整備工事で意匠性の高い1DAY PAVEが採用されている。施工現場近くに文化財があり、観光地となっていたことから、早期に交通開放する必要があったため、1DAY PAVEが採用された。

国内2例目の採用は兵庫県明石市の骨材ヤードへの搬入路。従来はアスファルト舗装だったが、骨材を積載したダンプの往来が激しく、舗装を頻繁に打換える必要があった。同物件に生コンを納入した神戸生コン協組員、サンコーに骨材を納入するツチセーが土木事務所にコンクリート舗装の長期耐久性、1DAY PAVEの早期交通開放性を説いて、採用が決まった。施工日が7月と気温が高かったことから暑中コンクリート対応として、高性能AE減水剤遅延形を使用した。

奈良県内でも11月に農道で1DAY PAVEが採用されている。一般車が通行できる道路では初めて。さくら生コンと販売店が建設会社に「ポンプ施工ができる舗装用コンクリートがある」と1DAY PAVEを提案し、採用された。

また、昨年12月には国発注工事でも採用されている。供用開始後40年が経過したコンクリート舗装の打換え工事では、生コンを供給した小原産業と住友大阪セメントが施工会社にコンクリート舗装のPR資料を提供。施工会社の提案を受けて中国地整津山出張所が採用した。

今年に入り、西日本を中心に1DAY PAVEの発注が増えている。2月には兵庫県南あわじ市発注の「八木榎列15号管渠敷設工事」で、下水道管埋戻し舗装工事に700m3採用された。3月に山口県周南市発注の市道舗装改良工事にも採用された。現場は港湾の企業団地に隣接しており、大型車の通行量が多いため、アスファルト舗装をコンクリート舗装に打換えた。コンクリートの版厚は20cmで、施工面積は540m2。