1;進捗急ぐ復興・支援道路~東北
東北の幹線道路建設では国土交通省が復興道路、復興支援道路の進捗を急いでおり、地域によって生コンの出荷が本格化し、あるいは今後の本格化が見込まれる。骨材や生コン輸送車の需給ひっ迫という問題に直面し、対応策に取り組んでいるところもある。
復興道路の三陸沿岸道路(359km)では、既存の生コン工場からの供給が届かない場所には、国土交通省が生コンプラント設置を含めた工事発注という方法をとって宮古、釜石の2か所にプラントが設置されている。
復興支援道路は、福島県北(福島市など)では東北中央自動車道(相馬~福島)45kmのうちの霊山道路(12km)向けに生コンを出荷している。そのうちのトンネル2本向けに年明けから生コンを納入する予定だったが、骨材、生コンの需給ひっ迫で生コン生産者側は納入の半年ほどの先延ばしを施工者に要請している。霊山道路は今後3年ほど続く見込み。そのほか霊山道路から東北縦貫自動車道に至るまでの区間の建設工事も計画されている。
復興支援道路の宮古盛岡横断道路(100km)は、国道106号の隘路部分に新たにトンネルを掘るなどするもので、これから施工が本格化する。盛岡側には新たに手代森、梁川、新区界の3本のトンネルが設けられる。手代森トンネル(2・4km)は来年2月から生コンの出荷が始まる見込み。梁川トンネル(1・6km)は来月には請負業者が決まる予定。新区界トンネル(5km)は覆工コンクリート打設が来年7月ころに始まる見通し。
生コンの供給のためには新たに生コン輸送車を増やす必要があり、生コン協同組合は傭車により組合車を増車する方針だが、輸送車の需給ひっ迫が続き、傭車代も上がり気味であることから輸送原価が上がることは避けられないとみられる。
東北地方最長のトンネルで白舗装
福島県北では東北中央自動車道の福島~米沢間の栗子トンネル(福島県側)までの区間にも生コンを出荷している。福島、山形の両県にまたがる栗子トンネルは今年3月に貫通した。道路トンネルとして東北で最も長く、全国でも5番目。今後コンクリート舗装を行う。
東北中央自動車道の山形県側では、栗子トンネル山形県側坑口~米沢IC(明かり部)にコンクリート舗装が採用され、このほどその出荷が終わった。東北中央自動車道のうちNEXCO東日本が担当する南陽高畠~山形上山間(24km)向けの生コンの出荷もこのほど一部で始まった。橋梁の区間が長い。