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2014年06月19日号

1;自治体の認知度向上~コンクリート舗装

国土交通省や都道府県でコンクリート舗装を採用する動きが広がっている。これまでもトンネル部や急傾斜地の山間部、離島などで採用されるケースはあったが、コンクリート舗装が持つ長期耐久性が再評価され、現在は一般道路でも採用が検討されている。発注者の認知度も向上し、地方整備局や自治体単位でマニュアルなどが整備されている。これからコンクリート舗装を実需につなげられるかが焦点になりそうだ。

国土交通省は2012年度の道路関係予算で「コンクリート舗装の積極的活用」、昨年度には設計業務等共通仕様書にコンクリート舗装とアスファルト舗装を比較検討することを明記した。これにより、全舗装(約120万km)の4・5%(約5万4千km)しかないコンクリート舗装の採用拡大に向けた条件がおおむね整った。

各地方整備局もコンクリート舗装の採用に向けて動き始めた。12年度末に中国地方整備局が「コンクリート舗装活用マニュアル(案)」を策定し、近畿地方整備局もコンクリート舗装の活用に向けた準備を進めている。

都道府県レベルでもコンクリート舗装を積極的に採用するところが出てきた。その筆頭が山口県。昨年県が整備する道路(国、県、農林道)の新設、打換え工事で、条件を満たせば、コンクリート舗装を採用するとの方針を打ち出し、今年3月には活用マニュアルを策定した。山口県では、本予算が執行される今年度下期から舗装需要が出てくる見通し。県内の生コン関係者の期待も高まっている。また、茨城県も昨年度、転圧コンクリート(RCC)を用いた道路補修工事を行った。

普及活動を支援

全国生コン工組連、同協組連(全生連)は昨年、コンクリート舗装推進会議の技術、普及両部会でPR活動に使用する資料を作成した。技術部会は普及活動用のDVD、技術資料などを組合員に配布するとともに、コンクリート舗装に関するQ&AをHPに公開した。また、スリップフォーム(SF)工法用コンクリート製造マニュアルを11年ぶりに改定して、舗装向けコンクリートの品質基準を盛り込んだ。同部会は今年度、割裂引張強度試験、圧縮強度試験と曲げ強度試験の相関性を調査して、50kgを超える供試体の曲げ強度試験の省力化を検討する。

普及部会は、「コンクリート舗装共同受注ガイドブック」を刊行し、各協組に対してコンクリート舗装を円滑に受注できる体制を構築するよう求めた。全生連は今年度、全国の生コン工組、協組が行う舗装の普及活動を支援するため、コンクリート舗装の追跡調査や施工見学会、講習会などの費用の一部を負担する方針だ。