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2014年06月05日号

1;施工実績5000m2超える~セ協開発の1DAY PAVE

セメント協会が開発した早期交通開放型コンクリート舗装「1DAY PAVE」の施工実績が5000m2を超えた。主にセメントメーカー各社の工場など事業所の道路やヤードの打換えで採用されており、昨年度以降、施工実績を加速度的に伸ばしている。材料の選定や施工方法も画一的な考え方にとらわれず、1DAY PAVEの可能性を広げる新たな試みが取り入れられている。住友大阪セメントが5月27~29日、岐阜工場(岐阜県本巣市)の構内道路を1DAY PAVEで打換えた工事では、施工の簡易化を図るため、コンクリートをホッパーで打設し、表面をコテで仕上げた。

1DAY PAVEは、1日養生での交通開放、低コスト化を基本コンセプトに開発された。一般的な生コン工場で常備されている早強セメントと高性能AE減水剤を基本材料とすることで、低コスト化とともに、汎用性も高めた。

比較的小規模の道路補修や打換えに適しており、中でもアスファルト舗装が損傷しやすい交差点やバス停などの打換えに有効だ。2009年5月の初施工以来、5年間の施工実績は26件、5253m2となった。そのほとんどがこの1年に集中している。

関根社長が立会い

住友大阪セメントは29日、岐阜工場で1DAY PAVE施工見学会を開いた。セメント協会、全国生コンクリート工業組合連合会東海地区本部、岐阜県生コンクリート工業組合との共催で、国、自治体など発注者、道路会社、セメント・生コン業界から約130名が参加した。セメント協会会長を務める関根福一社長や岐阜工組の雁部繁夫理事長も立ち会った。

施工場所は資材倉庫東側道路舗装。舗装構成はセメント安定処理路盤(30cm厚)、砕石(20cm厚)1DAY PAVE(20cm厚。鉄筋入り)の3層構造で、施工面積は約90m2(幅員3m×延長30m)だった。施工は地元の白山建設、生コン製造は北部生コンが担当した。

コンクリートの配合は水セメント比が36%、粗骨材かさ容積が06・3m3、s/aが42・4%。目標性状は荷卸し時点でスランプフローが40±7・5cm、空気量が4・5±1・5%、材齢24時間の曲げ強度が3・5N/mm2とした。

コンクリートは、ミキサ車から生コンを投入したホッパー(0・5m3)をバックホーで吊り上げ、打設箇所まで移動、打設した。高周波バイブレータで締固めをし、コテで表面を仕上げの後、ホウキ目を入れ、養生を行った。これまでの1DAY PAVE施工では、打設はミキサ車からの直接投入やポンプ圧送、表面仕上げは簡易フィニッシャを使うのが一般的。同社は施工場所なども考慮し、今回の方法を採用したとしている。

養生問題を解決

開会のあいさつの中で関根社長は、「(12年度に)国交省がコンクリート舗装を積極的に活用する方針を打ち出したことで全国的にコンクリート舗装の普及拡大の機運が高まった。コンクリート舗装の欠点である養生期間の問題を解決するため、セメント協会では1DAY PAVEを開発し、業界を挙げて普及に努めている。本日の公開施工で1DAY PAVEへの理解が深まり、普及が進むことを期待している」と述べた。