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2014年05月22日号

1;補修・海外事業に投資~住友大阪セメント

住友大阪セメントは14日、今年度から3年の新中期経営計画を発表した。中計で2016年度の経営目標を売上高2500億円(13年度は2351億円)、連結経常利益260億円(224億円)、ROA(総資産経常利益率)8・1%(7・0%)とした。全ての利益項目で過去最高となった13年度業績の更新を目指す。

同日の決算説明会で関根福一社長は「東北の復興、東京オリンピック、リニア新幹線など国家プロジェクトを見据え、この中計は将来への礎となる。成長2分野(補修、海外セメント事業)にヒトとカネをつぎ込み、17年度以降の収益につなげたい」と述べた。

東北の被災地復興、東京オリンピック開催に向けて、セメント国内需要は16年度まで、4800万トンで推移すると見込んだ。新中計中は「セメント国内需要が堅調に推移する」とし、グループ力を結集して、収益の極大化を目指す。設備投資費は3年で530億円(年当たり約180億円)と高い水準に設定した。

国内セメントの安定供給体制構築に向けて、生産・輸送能力を増強する。具体的には、赤穂、高知両工場で導入している熱効率の改善装置(AQC)を栃木工場と子会社の八戸セメントに導入し、省エネルギー化によるコスト低減を行うほか、4月に行った海運会社再編で輸送効率化を目指す。廃棄物の海送受入れ拡充も行う。

また、オリンピック、復興終了後の需要減を見据えて、全社的な安定収益構造を確立する。成長が見込まれる補修事業と東南アジアを中心とする海外でセメント事業の基盤を確立する。補修材料の生産を強化に向けて、栃木工場に製造設備を設ける。また、光電子や新材料、電池材料向けの新規事業については、成長市場を見極めて、経営資源を投入する。

中計の前提条件として、為替レートは1ドル105円、石炭1トン100ドル、原油1バレル105ドルと想定している。