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2014年05月01日号

1;白舗装受注ガイド刊行~全生連

全国生コンクリート工業組合連合会、同協同組合連合会(全生連)はこのほど、「コンクリート舗装共同受注ガイドブック」を刊行した。舗装用コンクリートの出荷実績の少ない生コン協同組合や工場が円滑に受注できる体制を構築する目的で、舗装用コンクリートの出荷実績のある協同組合の事例に基づき、受注から出荷までの手順を例示した。全生協組連は同ガイドブックを傘下各協組に3部ずつ配布した。

国土交通省が2012年度の道路関係予算に「コンクリート舗装の積極的活用」を明記したことを受け、全生連は昨年度にコンクリート舗装推進会議を設置、普及、技術両部会で課題解決に向けて検討を行っている。普及部会がガイドブックを作成した。

ガイドブックでは、①施工会社と協組②協組と組合員③施工会社と組合員の関係性を体系立てて説明。協組が舗装用コンクリートを受注する際の留意点として、舗装の工法、施工条件などを挙げている。これらを総合して適切な価格を設定するべきとしている。

また、協組は組合員の使用する原材料、JISの取得範囲、過去の舗装用コンクリートの出荷実績などを把握すべきとした。舗装用コンクリートの割決は、工程管理に労力を要することを考慮し、出荷工場へのシェア、価格面でのインセンティブを事前に設定しておくことを求めた。

施工会社からの要望が多い事項として、舗装用コンクリートの出荷実績、特殊混和剤の使用、粗骨材最大寸法40mmが求められること、石灰石骨材の使用が認められないことなどが想定されるとし、事前に各協組で回答例を作成するよう求めた。

舗装用コンクリートの価格について、アスファルト(再生密粒度13mm)と生コン(21・18・20N)の価格を比較した。東京では05年度に生コンが1m3当たり1万1500円に対し、アスファルトは1トン当たり6280円と価格差は大きかったが、13年12月時点で生コンが1万2500円、アスファルト1万円と値差は縮まっている。

12年度に行ったアンケート調査結果も掲載した。これによると、JIS規格品の舗装用コンクリートの場合、スライド平均価格はスランプ2・5cmで2114円、6・5cmで2722円アップする。また、JIS規格外品の場合は3174円高、RCCは4000円高だった。

息の長い活動に

阿部典夫全生連会長/コンクリート舗装は長期でみればメリットがあったが、初期投資の面でアスファルト舗装に対抗できず、今では道路舗装の数%を占めるに過ぎない状況だ。舗装コンクリートの出荷が少ない時代が長かったので、舗装コンクリートJISを返上した工場も多い。曲げ強度の型枠、労賃を含む価格、技術者不足などの問題も多い。すぐには広がっていくとは思わないが、息の長い活動を展開してコンクリート舗装を普及させたい。