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2014年02月20日号

1;生コン出荷にも影響~関東の大雪

2月14日から16日にかけて、日本列島の太平洋側を低気圧が通過し、例年は降雪量の少ない関東周辺に大雪をもたらした。ピーク時の積雪が1mを超えた山梨では、積雪の影響で山梨生コン協組員の生コン出荷は15日、17日ともゼロだった。首都圏でも積雪の影響で工事がストップし、生コンの出荷予定キャンセルなどが出ている。

山梨では17日夜まで交通インフラが完全に遮断され、陸の孤島と化した。生コン工場の職員も積雪で出社できない事態も発生した。主要幹線道路の国道20号線は、一部区間で通行止めになっている。生コン出荷も、工事がストップし、今のところ再開のメドは立っていない。

長野、群馬両県も積雪量が多かった。両県とも北部は例年雪が多いため、雪捨て場の整備、除雪を考慮して道路の幅員が設定されているが、その備えがない南部は交通が混乱した。14、17日の生コン出荷量は現場の作業がストップし、操業可能な工場でも出荷量は、通常の4分の1以下となった。

首都圏は15、16両日で雪解けし、生コン工場は、現場の出荷キャンセルはあるものの、通常操業できる体制になっている。東京湾岸の骨材生産業者、物流業者はともに通常通り営業している。だが、内陸の埼玉・秩父、東京・青梅地区などの砕石産地では、鉱山内での積雪、道路での雪崩の発生などで、ダンプが出動できず物流が滞っている。砕石の生産再開に際しては、プラントの点検、砕石場周辺の道路、採掘場の除雪などで、数日を要するケースも出てきた。

青梅地区の砕石を使用する生コン工場が多い三多摩生コン協組は18日、同協組のHP上に大雪の影響に伴う出荷対応を公表。今後、首都圏の他地域でも、工事の再開と骨材不足による生コンの供給不足が広がっていく可能性がある。

関東地区にあるセメント工場は太平洋セメント2工場、三菱マテリアル、住友大阪セメント各1工場。18日時点で三菱の横瀬工場(秩父郡)は設備被害はなく、生産を続けているものの、道路事情の悪化により、セメントの出荷や引き取りに影響が出ている。住友大阪の栃木工場(佐野市)は生産、出荷両面で目立った影響は出ていない。太平洋の熊谷工場(熊谷市)は17日時点で生産を続けているが、原材料や燃料を同工場に運ぶ秩父鉄道が一部区間で運休している。