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2014年02月06日号

1;資材値上げ時差短縮~国交省 自治体に通知

国土交通省は1月24日、都道府県や政令指定都市、建設関連団体、調査・設計を行う業界団体に対し、公共建築工事の予定(積算)価格の設定方法を見直すよう求める「公共建築工事の円滑な施工確保に係る当面の取り組みについて」を通知した。建設資材の予定価格を毎月変更することや、建設資材メーカーから提出された見積もりを参考に予定価格を設定するよう求めた。これにより、生コンの値上げがこれまでより早く予定価格に反映される可能性が出てきた。

大型公共建築工事における入札不調が相次いでいる。同省は、予定価格と実勢価格のかい離が原因であると判断。都道府県や政令指定都市に対し実勢を踏まえて予定価格を設定するよう求めた。

具体的な取り組みとして、生コンや鉄筋などの建設資材の予定価格を入札日直近の最新単価に改めるように求めた。調査会社が毎月発行している刊行物を参考に予定価格を設定している自治体で、年に数回しか予定価格を変更していない場合は、予定価格を毎月変更するよう求める。

この対策を実施しても、実勢価格とかい離する可能性のある場合、あるいは入札不調となった場合には、建設資材メーカーから見積もりを取り寄せ、予定価格の設定に反映させる。これまで各自治体が建設資材メーカーから見積もりの提出を求める仕組みはなかった。同省は「刊行物に頼らず、より実勢価格を反映させやすくする」としている。

通知では、契約後の資材・労務費が高騰した際、スライド条項の適切な設定・活用を図るよう、建設業者に周知した。また、新たな予定価格の設定に関して、同省は各地方整備局、及び出先機関に相談窓口を設置した。

全国的に骨材など原材料価格が上昇し、各生コン協組もコスト転嫁の値上げを進めている。国や自治体が実勢価格を重視する姿勢は変わらないものの、生コン協組の共販再開による陥没価格の是正や、資材価格上昇の転嫁値上げ時のタイムラグが短縮できそうだ。また、今回は建築工事のみが対象だが、土木物件の入札不調も相次いだ場合、同様の措置が取られる公算が高い。