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2013年11月14日号

1;内需好調、収益が拡大~セメント決算

セメント主要5社の2013年4~9月期の連結決算が12日までに出そろった。東日本大震災の復興工事や都市圏での民需活発化でセメントや固化材、骨材などの販売が伸び、太平洋セメント、住友大阪セメントの専業2社の収益が拡大した。兼業3社もセメント部門はそろって増収増益を確保した。14年3月期の見通しについては、太平洋が経常利益を従来予想に比べ170億円引き上げるなど上方修正した。住友大阪は全ての利益項目で過去最高を更新する。

今期見通し上方修正~太平洋

太平洋セメントが12日発表した4~9月期の連結決算は、売上高が前年同期に比べ449億円増えた。増収分の過半がセメント。国内はセメントや固化材の数量増で1942億円と71億円増えた。海外は円安で163億円増の634億円となった。建設投資の拡大を背景に、資源、建材・建築土木も大幅増収となった。

営業利益は168億円の増加で、このうち123億円をセメントで稼いだ。国内がけん引役で、数量増(37億円)、固定費の減少(23億円)などで119億円増えた。海外は15億円の赤字(前年同期は19億円の赤字)だった。米国の損益は改善したが、中国は市況悪化が響き減益となった。

値上げ12億円見込む~住友大阪

住友大阪セメントが7日発表した4~9月期の連結決算は、営業利益が前年同期に比べ31億円増えた。このうち、セメントで26億円を稼いだ。燃料コストの低下(13億円)に加え、リサイクル・合理化(7億円)、数量増(2億円)などで利益を積み上げた。

非セメントの収益も改善した。地盤改良材の販売が好調な建材が5億円の黒字(前年同期は9千万円の赤字)に転換した。骨材や石灰石の販売が伸びた鉱産品は8割増の6億円となった。光電子は、LN変調器の販売が堅調に推移し、7倍の5億円と急回復した。一方、その他は2億円の赤字だった。市場の立ち上がりの遅れから二次電池材料の損益が6億円悪化したことが響いた。