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2013年08月08日号

1;仕様書に再生コン明記~東京都建設局

東京都建設局は、2013年版の土木材料仕様書に「再生骨材H」、「再生骨材Mを用いたコンクリート」と「再生骨材Lを用いたコンクリート」を使用材料として明記した。各自治体のリサイクル製品の認定制度で「再生骨材コンクリート」が明記されたケースはあったが、仕様書に掲載されたのは全国で初めて。同局は「再生骨材コンクリートを通常の生コンと同じよう、一般的に取り扱われるようにしたい」としている。

都内では、再開発工事が活発化してコンクリート塊の発生量が増える一方、コンクリート塊の主な需要先である道路需要が減り、再生骨材の中間処理業者にコンクリート塊が滞留している。このため、中間処理業者がコンクリート塊を受け入れられず、建設工事が遅れる原因になっていた。こうした状況を改善するため、同局は新たなコンクリート塊の需要先を模索していた。そこで目に留まったのが、すでにJIS化されていた再生骨材コンクリートだった。

土木材料仕様書の使用材料に再生骨材H、再生骨材M・Lを用いたコンクリートを盛り込み普及を図る。同局は再生骨材コンクリートの製造者から品質証明書の提出を求め、再生骨材コンクリートの品質を担保する。

都内で再生骨材コンクリートを常時出荷できるのは、宮松エスオーシーりんかい工場(大田区)、立石建設(江戸川区)、東京テクノ(町田市)の3か所。宮松社は再生骨材Hを取得している成友興業(大田区)の再生骨材をJISA5308で、標準化している。立石建設は再生骨材コンクリートLを取得している。東京テクノは、コンクリート用の再生骨材を生産している武蔵野土木工業(町田市)と隣接していることから、ゼネコンと共同で再生骨材を用いたコンクリートの大臣認定を多数取得してきた実績がある。

また、都内ではゼネコンらと共同で再生骨材コンクリートの大臣認定を取得した実績のある生コン工場は多いことから、環境が整えば、再生骨材コンクリートを出荷できるとみられる。

これまで再生骨材コンクリートの出荷先は建築向けが主体で、土木分野での採用実績は少なかった。仕様書への明記で、公共土木分野への出荷が期待できる。ただ、東京都の全局が使用する土木工事標準仕様書には「再生骨材コンクリート」がまだ記載されていない。建設局では土木工事標準仕様書の改正時に、土木材料仕様書で盛り込んだ内容を反映させる方向で関連部局と調整するとしている。