1;阿部体制 2期目が始動~全国生コン連合会
全国生コンクリート工業組合連合会、全国生コンクリート協同組合連合会は20日、東京・霞が関ビル内の東海大学・校友会館で2013年度の通常総会を開いた。任期満了に伴い役員を改選、その後の理事会で阿部典夫会長の再選など新体制を決めた。2期目に入った阿部体制は、コンクリート舗装の普及推進、生産集約化の推進、品質の向上、地区本部の強化など生コン製造業界の足腰を強靭化する施策に取り組む。再選した阿部会長は、「精神論ではなく、本気になって(全生連を)みんなの組織にしていきたい」と述べた。
全国生コン両連合会は、会長の諮問機関である組織改革検討会議の審議結果を踏まえ、4月17日に開いた臨時総会で理事・監事定数などの規約を改正した。スリムな執行態勢による意思決定の迅速化が目的で、理事を46人以上53人以内から「11人以上14人以内」に、監事を2人以上4人以内から「2人又は3人」に改めた。また、地区本部長が兼務していた副会長の定数を10人から「1人又は2人」とした。
通常総会では、改正規約に基づいて初の役員改選が行われ、理事13人、監事3人を選出。理事会で阿部会長を再選したほか、副会長に小林美知夫、村上典雄両氏、常務理事に福永健司、鈴木一雄両氏をそれぞれ選任した。前事務局次長の鈴木氏は、プロパーとして初の理事就任となった。
全生工組連、全生協組連が提出した総会議案は全て原案通り承認された。来賓の三橋敏宏・経済産業省住宅産業窯業建材課長が閉会まで臨席した。
総会で決まった今年度の全生工組連の事業計画によると、コンクリート舗装の普及では、「セメント協会との連携による普及活動の推進」の一文を新たに盛り込み、両業界の力を結集して採用拡大を目指す。普及活動用のDVDも作成する。また、コンクリート舗装の強度管理の省略化として、曲げ強度試験を割裂引張強度試験、あるいは圧縮強度試験に代替するための検討を行う。コンクリート舗装の普及推進などの構造改革事業費を前年度予算比で4倍の2000万円に拡充した。
全生連が目指す組織強化を仕上げるうえで、地区本部機能をどこまで高められるかが焦点となる。そのため、全生連は組織改革検討会議を存続させることを決定、今年度は地区本部強化に向けた具体的検討に着手する。地区本部交付金も同5割増の4500万円と厚くした。
また、全国理事長会議を1回増やし2回開催する。毎年11月の全生協組連との合同開催に加えて、全生工組連単独での開催を予定する。
このほか新規事業は、「復興加速化への対応促進」、「機関誌の発行」、「ZENNAMA―NETリニューアルとリーズナブルな運用」、「生コンJIS改正説明会」、「ミキサ車の利用状況の実態調査」など。ミキサ車については、一部に不足が指摘されており、保有台数や稼働率などを調べる。
組織の力で
総会の開会あいさつの中で、阿部会長は生コンの需要は一時の低迷から回復しつつあるとしながら、「地域間の需給のアンバランスが大きくなっている。今年度で4年目を迎えた構造改革を引き続き推進するとともに、コンクリート舗装を中心とした需要開拓に一層力を入れる」と述べた。生コン製造業界を取り巻く環境はなお厳しいとしたうえで、「個々の力で環境変化に対応することは難しいが、組織の力で取り組めば道は開ける」と強調した。