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2013年06月13日号

1;早期交通解放を実現~コンクリート舗装

 交通解放に時間がかかるとのコンクリート舗装の弱点解消を目指してセメント協会が開発した1DAY PAVE(早期交通解放型コンクリート舗装)の施工実績が増えている。宇部興産は自社内の産業道路で1DAY PAVEを採用、5日にセメント協会と共同で現場見学会を開催した。1DAY PAVEは1日で交通解放が可能になる曲げ強度3・5N/mm2以上を発現。一般的な生コン工場に常備されている早強ポルトランドセメントと高性能AE減水剤を用いることから、生コン業界も1DAY PAVEの普及拡大に期待を寄せている。
 1DAY PAVEはこれまで、太平洋セメントの熊谷工場や宇治川堤防工事などで採用されており、今回が9例目。宇部興産としては今年3月に技術開発研究所の場内ヤード新設工事で採用しており今回で2回目となる。
 1DAY PAVEが採用されたのは、同社グループの産業道路「弥生道路」(山口県宇部市)。施工見学会には生コン、セメント関係者のほか、山口県や宇部市などの発注者も含めて約70名が参加した。
 弥生道路は約50年間にわたって供用されており、大型車両が1日平均700台通行する交通量の多い産業道路。老朽化が著しいため2012~15年の4期に分けて改修工事を実施しており、2期工事で1DAY PAVEを採用した。施工延長は168m、片側1車線3・75mで、施工面積は1DY PAVEの施工としては過去最大となる630m2。
 生コンの製造は萩森興産宇部工場が行った。セメントは早強ポルトランドセメント、骨材は砕石、石灰石砕砂を使用し、水セメント比を小さくしたうえで高性能AE減水剤を使用した。
 今年3月の技術開発研究所での施工では、生コンの粘性が高く仕上げが難しいとの指摘があったことを受けて、配合を修正。混和剤を粘性が低いものに、粗骨材かさ容積を0・68m3/m3から0・73m3/m3に変更した。「施工会社からは前回よりも施工しやすいとの評価をいただいた。1時間当たり10mのペースで施工できている」(宇部興産建設資材カンパニー技術開発研究所の松永篤所長)。1日曲げ強度は5・3N/mm2で、交通解放に必要な強度を確保している。
 見学会であいさつしたセメント協会の時政宏常務理事は、1DAY PAVEがコンクリート舗装の欠点と言われている点を改善していることを強調したうえで、「改善、発展できる技術だと思っているのでたくさんの意見をいただければと思っている。NETISにも登録申請中であり、近々登録される見通しとなっている」と述べた。