文字サイズ(変更方法 文字サイズを大きく 文字サイズを小さく
2013年03月21日号

1;稼働率4年ぶり10%台~生コン

 経済産業省が13日公表した2012年10~12月期の生コンクリート流通統計調査結果によると、12暦年の生コン工場の稼働率は前年比0・6ポイント増の10・2%で、2年連続で前年実績を上回った。08年以来4年ぶりに10%台に回復した。都市部を中心とする民間工事の活発化や東日本大震災からの復興工事が出荷を押し上げたことに加え、設備削減が進んできたことによる。
 生コン工場の稼働率は、リーマン・ショックや政権交代などの影響を受けた09年に10%を割り込んだ。公共工事の削減に加え、都市部の民需も著しく減少した。生コン工場の統廃合や撤退、倒産など全国各地で設備削減が進められたが、需要の減少に追いつかず、稼働率も低下の一途を辿った。
 しかし、東日本大震災が発生した11年に反転。震災の復旧工事や都市部での民間工事の回復を背景に、生コン出荷量が増えてきている。この勢いは昨年も続き、同統計調査(月産1万4000m3以上の事業所が対象)による昨年の出荷数量は前年比4・6%増の5777万8千m3と2年連続の増加となった。
 四半期別の稼働率は全ての期間で前年を上回り、8期連続の上昇。単月ベースでみると、上期は3月を除き10%を下回ったが、下期は8月を除き10%を超えた。需要期の10~12月は全ての月で11%台となった。
 設備削減も進む。12月末のプラント基数は1795基で、前年同期末に比べ42基減った。需要増と設備削減の相乗効果で稼働率が上昇した。今年は震災復興工事が盛期を迎えること、公共投資の増額が見込まれることから、稼働率も10%超の水準を維持するとみられる。