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2013年02月28日号

1;発祥の地で地域貢献~福島県・住友大阪セメント

 住友大阪セメントが、会社発祥の地、四倉で震災被災者支援に貢献している。今月20日、福島県いわき市四倉町の仮設住宅で入居者専用菜園の開園式が行われた。
 この仮設住宅は住友大阪セメントの前身、磐城セメント四倉工場の跡地に建てられたもので、現在の総戸数は280戸。東日本大震災とそれにともなう原発事故で避難を余儀なくされた被災者が入居している。入居者のなかには高齢の方も多く、日頃はどうしても閉じ籠りがちになることが懸念されるが、敷地内に土いじりのできる専用菜園があれば、適度に体を動かすことができ、新たなコミュニケーションスポットにもなるため、入居者自治体からのリクエストもあり、約500m2の菜園用地が福島県から入居者に向けて贈呈された。
 菜園用地も含めた約6・2万m2の仮設住宅用地を福島県に無償提供しているのが住友大阪セメントだ。前身の磐城セメントが当地の四倉工場で創業して以来、すでに100有余年が経つが、四倉工場に関しては1986年に閉鎖されてからは、工場跡地の大部分が遊休地となっていた。
 2011年3月の震災後、福島県からの要請もあり、これらの遊休地を被災者の仮設住宅用地に提供。同年11月には現在の仮設住宅280戸が完成。被災者の受け入れが開始されている。280戸の内訳は広野町が設置したものが200戸、川内村が50戸、四倉町が30戸。
 仮設住宅の入居者のなかには、かつての四倉工場を知る人も多く、町全体が賑やかで活気のあった当時を懐かしむ一方で、遊休地を活用した住宅用地提供に対しての感謝の声も多く聞かれた。
 住友大阪セメントは会社発祥の地でもある、同エリアの震災復旧・復興のための取り組みに今後も注力していく方針だ。